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アパートの屋根の種類やメンテナンス方法、工事に掛かる費用などを知っておくことで、あなたがアパートを上手く経営していくための情報を得ることができます。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
アパートを経営する上で、屋根のメンテナンスは必ず必要になるものです。
屋根はアパートを守る大切な部分ですが、屋根の種類やメンテナンス方法について、しっかりとした知識を持っている人は多くありません。
アパートの屋根が劣化すると、そこから雨水が侵入して雨漏りが発生したり、入居者からのクレームに繋がることもあります。
屋根の正しい知識を持っておくことで、適切なメンテナンスをすることができ、結果的にアパート全体を長く安全に維持することができます。
アパート経営を上手く続けるためにも、アパートの屋根の種類や必要なメンテナンス、工事に掛かる費用などを、私と一緒に見ていきましょう。
アパートの屋根にはどんな種類がある?
アパートの屋根は地上から見えにくい部分で、経営アパートとは別のお家にあなたがお住まいの場合は、見る機会がほとんどないですよね。
アパートに使われる屋根にはどのような種類があるのか、私と一緒に見ていければと思うので、あなたのアパートがどの屋根なのか、思い出しながら確認していただくのがオススメです。
スレート
コロニアルやカラーベストとも呼ばれるスレート屋根は、セメントを主材として作られている薄い板状の屋根材が、敷き詰められて出来ている屋根です。
昔ながらの日本家屋に使われている瓦と比べると、半分くらいの重さなので軽くて扱いやすく、耐震性能が高いことから、スレート屋根に替える人もたくさんいます。
価格も比較的安く、カラーバリエーションやデザインも豊富なので、アパートの外観が洋風であっても和風であっても、雰囲気に合わせた屋根にすることができます。
しかし、スレート屋根は衝撃に弱いというデメリットがあり、ほかの屋根材に比べてひび割れが起きやすいという特徴も持っています。
また、スレートの主材となるセメントは水分を吸収しやすく、表面に塗られている塗装が劣化してしまうと、防水機能が失われてコケや藻が発生する原因にもなるので、10年に一度は塗装工事でのメンテナンスを行うのが一般的です。
瓦屋根
瓦はとても耐久性が高く、瓦を敷いていくための漆喰(しっくい)という部分はメンテナンスが必要になりますが、瓦自体の塗装は必要ないものが多いです。※瓦の種類によっては塗装が必要な製品もあります。
防火性、断熱性、防音性にも優れていますが、瓦屋根を施工できる業者さんが少ないという事や、瓦を交換する葺き替え工事の場合は費用が高くなるというデメリットもあります。
トタン
亜鉛メッキ鋼板とも呼ばれるトタンは、軽量で雨漏りしにくく価格が安いことから、昔はトタン屋根が多く見られました。
しかし、衝撃に弱くサビが発生しやすいので、サビ止めや塗装工事を頻繁におこなう必要があり、一度サビが発生してしまうと耐久性も下がってしまいます。
トタン屋根は、カラーバリエーションが豊富で防火性能に優れ、傾斜があまりない屋根にも施工することができますが、施工する業者の技術によって品質に大きく影響がある屋根材ともいえます。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、サビに強い特殊なメッキが鋼板に塗られている屋根材で、サビが発生しにくく耐久性に優れているのが特徴です。
また、今ある屋根材の上から新しい屋根材を重ね張りする、重ね葺き(カバー工法)という工法で使われる屋根材のほとんどは、軽量で建物に負担が掛かりにくいガルバリウム鋼板となっています。
しかし、断熱性が低く衝撃に弱いことがデメリットとして挙げられ、見る人によっては、安っぽく感じることもあります。
アパート屋根のメンテナンス方法や費用は?
アパートの屋根に行うメンテナンス方法は、屋根の種類や状態によって様々なものがあり、工事金額も変わります。
あなたの経営アパートにはどのようなメンテナンスを行う必要があるのか、費用相場と一緒に確認していきましょう。
塗装工事
坪数 | 塗装工事の相場 |
---|---|
約30坪 | 約40~80万円 |
塗装工事とは、屋根材に専用の塗料を塗ってアパートのメンテナンスを行うことで、一般的に瓦屋根は塗装工事をする必要がありませんが、一部の瓦屋根や、瓦屋根以外の屋根は塗装工事が必要になります。
屋根は、表面に塗られる塗料の防水性によって雨漏りを防いでいるので、塗料が固まって出来た薄い保護膜が劣化すると、防水性能が弱まって雨漏りの原因になってしまうんです。
そのため、約10年に一度は屋根の塗装工事をすることで、アパートを長く健康な状態にしてくれます。
塗料の機能が保てる期間や工事価格は、塗料のグレード(品質レベル)によって変わり、グレードは下記のように6種類あります。
グレード (品質レベル) | 塗料の種類 | 工事金額 | 塗装の機能が 保てる期間 |
---|---|---|---|
グレード1 | アクリル系塗料 | 約1,000~1,200円/㎡ | 約2~3年 |
グレード2 | ウレタン系塗料 | 約1,800~2,000円/㎡ | 約5~7年 |
グレード3 | シリコン系塗料 | 約2,500~3,500円/㎡ | 約7~12年 |
グレード4 | ラジカル制御型塗料 | 約3,500~4,000円/㎡ | 約8~13年 |
グレード5 | フッ素系塗料 | 約3,500~4,500円/㎡ | 約10~15年 |
グレード6 | 無機系塗料 | 約5,000~5,500円/㎡ | 約15~20年 |
グレードが高いほど価格も高くなりますが、塗装の機能を長く保つことができ、中でも現在の屋根塗装でよく使われるのは、「シリコン系塗料」「ラジカル制御型塗料」「フッ素系塗料」「無機系塗料」です。
しかし、一部の瓦屋根は塗装をすることができないため、工事業者さんに屋根の種類をよく確認してもらうことが大切です。
葺き替え
坪数 | 葺き替え工事の相場 |
---|---|
約30坪 | 約60~200万円 |
アパートを建ててから10年以上メンテナンスをしていなかったり、前回のメンテナンスからかなり年数が経過していると、場合によっては屋根材の傷みがひどく、塗装よりも屋根材を交換した方が良いこともあります。
屋根の葺き替え工事は、古い屋根材をすべて取り払い新しい屋根材を乗せていくので、下地の状況が分かり必要な補修ができて、耐久力も上がります。
どのような種類の屋根でも葺き替え工事をすることはできて、屋根材の種類を変えることも可能なので、トタン屋根からスレート屋根に変える工事も、お家のつくりなど状況に合えば行うことができます。
しかし、屋根材の解体や古い屋根材の廃棄をする必要があるため、工事期間が長くなったり、工事に掛かる費用も高くなります。
重ね葺き(カバー工法)
坪数 | 重ね葺き工事の相場 |
---|---|
約30坪 | 約80~120万円 |
屋根の重ね葺きはカバー工法とも呼ばれる工事で、今ある屋根の上から新しい屋根材を敷いていきます。
葺き替え工事と違って今敷かれている屋根材を撤去する必要がなく、工期が短く工事価格も安いというメリットを得られるので、塗装業者さんにアパートの屋根をよく確認してもらいましょう。
また、屋根材が二重になるので断熱性や遮熱性は上がりますが、重さが増すため耐震性が低くなりやすいので、カバー工法をする際は、アパートの耐震性をチェックした上で施工するのがオススメです。
カバー工法ができない屋根がある?
葺き替えよりも安く工事できることから、屋根の工事はカバー工法が人気ですが、カバー工法ができない屋根もあります。
屋根材の下には防水シートが敷かれており、さらに下には野路板(のじいた)と呼ばれる屋根の基盤になる板が敷いてあるのですが、これら下地が劣化している場合は、カバー工法での工事はできません。
下地が劣化している状態でカバー工法の屋根工事をしてしまうと、劣化した部分が補修されないままフタをしてしまうことになり、アパートの傷みを悪化させてしまったり、重みで下地部分が破損してしまうというケースも考えられます。
カバー工法を検討する場合は、屋根の状態をしっかりとチェックして見極めてくれる塗装業者さんに、丁寧にアパートを見てもらうのがオススメです。
アパート屋根を適正価格で工事してもらうには?
アパートの屋根は、一般的なお家と比べて工事の規模が大きくなりやすいですが、工事金額も大きくなるので、工事費用はアパートを経営するあなたにとって一番気になる部分ですよね。
メンテナンス費用は少しでも安く抑えたいところですが、今後のアパート経営のためにも、施工不良がなく丁寧で安心できる工事をしてもらわなければなりません。
アパートの屋根工事で後悔しないように、適正な価格で工事してもらうためのポイントを、私と一緒に見ていきましょう。
2~3社から見積もりをとる
アパートの屋根工事をお願いする工事業者さんを選ぶときは、はじめから1社に絞らず2~3社候補を挙げて、必ず相見積もりを取るようにしましょう。
1社だけではあなたのアパートに掛かる屋根工事の相場がわからず、不正に高すぎたり安すぎたりしても、気づけなくなってしまいます。
比較対象がある中で絞っていくことで、工事金額が適正かどうかを判断しやすくなり、同時にあなたのアパートに合う工事提案をしてくれる、優良業者さんを選ぶことに繋がります。
経営中のアパートとは別のお家にあなたが住んでいる場合は、
「とりあえず安めの金額でメンテナンスできればいいか…。」
このように、あまり深刻に考えないかもしれませんが、施工不良があるような塗装業者に工事をお願いしてしまうと、安く工事ができても後からトラブルが発生してしまうこともあります。
追加工事が発生して、結果的に支払う金額が高くなるというケースもあるので、お金だけにとらわれず、見積もり内容や塗装業者さんの対応にも注目してほしいです。
地域密着型の工事業者を選ぶ
アパートの屋根のメンテナンスは、できる限りお金を掛けたくないと思うので、だからこそ地域密着型の工事業者さんを選ぶのがオススメです。
大手リフォーム会社の場合、実際に屋根工事を行うのは下請け業者で、中間マージンという余計な仲介料が取られてしまうため、工事費用が高くなってしまう可能性があるんです。
地域密着型の業者さんは、自社の職人さんや職人仲間が工事をするため、最初の打ち合わせやお見積もり、実際の工事まで一つの会社が行ってくれます。
小さい会社であることが多いですが、小さな会社だからこそ情報伝達が早く、契約から施工まで一貫して引き受けてくれるので、スムーズに工事が進みやすいです。
また、アパートはいろいろな入居者が暮らしているため、なにかトラブルがあった時はすぐに駆けつけてくれる業者さんを選ぶ必要がありますが、地元に密着した営業のおかげですぐに対応してもらえます。
あなたが信頼できる地元の業者さんを探しておくと、今後も安心してアパートの工事をお願いすることができ、安心できるアパート経営にもつながるので、地元の人から親しまれている業者さんを選んでほしいです。
長い目で見て考える
アパートの屋根をメンテナンスする時は、工事費用ばかり気にして安い材料を使ったり、その場しのぎで工事を依頼してしまう人も少なくありませんが、今だけでなく今後のアパート経営も考えておくことをオススメします。
例えば、アパートの屋根を塗装工事でメンテナンスする場合、塗料によって次回の塗り替え時期や価格が変わり、価格が高いほど塗料の品質も高くなるため、次の塗装工事をするタイミングを延ばすことができます。
約60~100坪のアパート:屋根塗装に掛かる費用
塗料の種類 | 10年後 | 15年後 | 20年後 | 25年後 | 30年後 |
---|---|---|---|---|---|
10年持つ塗料 | 約130 ~170万円 | 約130 ~170万円 | 約130 ~170万円 | ||
15年持つ塗料 | 約130 ~170万円 | 約130 ~170万円 |
このように、一度の工事に掛かる金額は高くなっても、長い目で見ると屋根のメンテナンスをする回数が減り、工事費用を抑えることができるので、今回の工事だけにとらわれずに考えるのがオススメです。
屋根と外壁は一緒にメンテナンスする方がお得
アパートを経営する上で必要なメンテナンスとして、屋根と同じように外壁も、塗装工事や外壁材の張り替えなどが必要になります。
しかし、一度に掛かる工事費用を抑えるために、屋根塗装と外壁塗装を別々のタイミングで行うオーナーさんもいますが、あまりオススメではありません。
屋根・外壁の塗装工事や張り替え工事などは、必ず足場を設置する必要があり、職人さんの安全を確保したり作業をスムーズに進めるために、必要不可欠なものです。
足場の工事は、約60~100坪のアパートの場合約20~30万円も掛かるもので、屋根の工事だけであってもアパートの周りにぐるりと足場を立てます。
そのため、屋根と外壁のメンテナンスを同時にすることで、足場代は一回分に済ませることができるんです。
屋根と外壁を別の時期に工事すると、約20~30万円の足場代がその都度掛かることになるので、アパートの屋根と外壁のメンテナンスはセットで行うようにしましょう。
最後に…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
アパートの屋根の種類やメンテナンスについてまとめてきましたが、分かりづらいところやもっと知りたい情報はありましたか?
どんな小さなことからでもご相談を無料で受け付けているので、お気軽に以下の屋根工事に関するご相談フォーム・お電話にてご連絡くださいね。
あなたにとって、アパートの屋根の種類やメンテナンスに関する安心・納得の情報になれれば嬉しいです。
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誰だって初めてのことには不安を覚えるもの。
私たちのような中立の立場である無料サービスを活用いただき、アドバイス・サポートで安心できる外壁塗装をお手伝いできればと思っています。※外壁塗装コンシェルジュとは
適正な価格や工事内容でアパートの屋根工事ができる工事店選びから、見積もり金額の適正診断など、全て無料で承らせていただいているので、お気軽に連絡をいただければ嬉しいです。
「アパートの屋根工事の相談がしたい」とお伝えください。ご利用無料 / どんなに小さな事でも相談可能 / 365日受付中- 塗料(35)
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