外壁塗装の4回塗りとは何なのか、あなたのお家に本当に必要なものなのか分かるので、安心の外壁塗装をすることができるようになります。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
あなたが外壁塗装を始めようと思い、塗装業者から塗装工事の提案を受けた時、こんな事を言われませんでしたか?
「当社は他社と違い、外壁塗装で4回塗りをするので安心ですよ!」
このように塗り回数をアピールされる事がありますが、塗り回数が多ければ良い外壁塗装になる訳ではありません。
私と一緒に、塗り回数に騙されない外壁塗装について見ていければと思います。
- 目次
- 外壁塗装の「4回塗り」って本当にイイの?
- 外壁塗装はただ単に塗り回数を増やしても意味がない
- 悪徳業者は「4回塗り」と言いつつ「2回、3回塗り」しかしない?
- 4回塗りで提案する業者はいるけど、外壁塗装はなぜ3回塗りが基本と言われているのか
- 外壁がどういう状態だったら4回塗りが必要なの?
- 外壁塗装は塗り回数ではなく優良店選びが一番大事
- 最後に…。
外壁塗装の「4回塗り」って本当にイイの?
外壁塗装は外壁専用の塗料を外壁面に塗っていく工事となっていますが、塗料の「塗り回数」がとても大事なんです。
外壁塗装をすると、あなたのお家の外壁に塗料の薄い膜が作られ、この塗膜(とまく)が、毎日紫外線・雨風・ホコリなど、自然環境が発生させるダメージからお家の外壁を守ってくれるバリアーの役割をしてくれています。
塗膜があることで、外壁材は直接ダメージを受けず、寿命を長く保たせてくれるんです。
塗膜は下塗り・中塗り・上塗りと3回の塗装で3層の塗膜を作るのが基本なのですが、塗装業者の中には4回塗りや5回塗りなど、塗り回数を増やした提案をしてくる場合もあります。
しかし、塗り回数を増やせば増やしただけの効果が本当に出るのでしょうか?
回数を増やしたらその分効果も強まると思われがちですが、実はそう簡単なものではないため、回数に騙されず、あなたが外壁塗装に失敗しないように、私と一緒に必要な情報を見ていければと思います。
外壁塗装はただ単に塗り回数を増やしても意味がない
「ウチだったら、外壁塗装を4回塗りで3回塗りと同じ値段で出来ますよ!」
「他社ではやってないのですが、当社だと4回塗りが出来ます!」
外壁塗装というのは3回塗りが基本ですが、基本よりも多い回数を塗装してもらうことで、良い外壁塗装になるのでは?と思う方がほとんどですが、実はそう簡単な話ではありません。
塗り回数を増やすということは、以下の3つが発生するという事。
- 1つ目:使う塗料の量が通常よりも多くなる
- 2つ目:1工程増えるので職人の作業時間が増えて作業賃も増える
- 3つ目:塗り回数が増えることで工期が遅くなる
まずは、この3つの事実をあなたに覚えてもらいたいです。
3つの事実と塗り回数を増やす事について、もう少し詳しく見てみましょう。
使う塗料の量が通常よりも多くなる
外壁塗装をする時に、必ず用意しないといけないのが塗料になりますが、塗料によって外壁に塗らなければいけない量が決まっています。
例えば、人気の塗料である「パーフェクトトップ」は1缶(約15kg)で88~136㎡分を塗ることが出来ます。
言い換えれば、1缶分で136㎡以上は塗ってはいけないということ。
塗り回数を1回分増やすということは、1回分塗るための決められた量の塗料を用意しないといけないので、その分お金が高くなります。
もし、塗装業者に以下のような事を言われたら、不正か手抜きが発生する確率が高いです。
「普通は3回塗りなんです。だけど今回は4回塗りで1回分増やしますが、3回分と同じ金額でやりますよ」
塗料は決められた量で決められた面積しか塗る事が出来ないため、3回塗りと4回塗りで同じ金額には出来ないんです。
もし、3回分の塗料で無理やり4回分の塗装をしようとすると、塗料が足りなくなるため、必要以上に薄めて塗装をするしかできなくなります。
そうなると、たとえ4回塗りをしたとしても、期待以上の効果も出ない、逆に塗膜が薄くなりすぎて、すぐに剥がれる塗装にもなります。
3回塗り以上を行うということは、その分の塗料代金が必要になるという事を、覚えておきましょう。
1工程増えるので職人の作業時間が増えて作業賃も増える
外壁塗装の塗料の金額は、どの業者に頼んでもそこまで大きな金額の開きはありません。
しかし、職人一人あたりの作業代は、各業者ごとで違うため、塗装をするためには塗料代と職人の作業代が加算されます。
そのため、通常は3回塗りだけど4回塗りにした場合には、1回塗り分の作業代が加えられるという事です。
それなのに、3回塗りと同じ料金で提案してきたり、1回分の塗りが追加された事による金額の説明をしてこない業者には注意が必要です。
塗り回数が増えることで工期が遅くなる
外壁塗装というのは、1回塗ったごとに、きちんと乾くまで次の塗装ができないのが特徴。
しっかりと塗料を乾燥させて、塗膜(とまく)を作って重ねていく工事なので、1回塗ったごとにしっかりと乾かしていきます。
つまり、通常は3回塗りですが、4回塗りとなった場合は、1回分の塗料を乾燥させる時間が増えるので、工期が長くなります。
通常以上の塗り回数をした場合は、工期が長くなるのに、3回塗りと同じ工期だった場合は注意が必要です。
もしかしたら、1回追加した分の塗料の乾燥時間を考えないで、見積もりをしたりスケジュールを立ててしまっている場合があります。
4回塗りにした場合は、その分工期も遅くなる事を覚えておきましょう。
悪徳業者は「4回塗り」と言いつつ「2回、3回塗り」しかしない?
外壁塗装は専門知識が多かったり、実際に塗られる塗料がどうやって扱われているのか直接見る機会がないため、不正や手抜きがしやすい工事だと言われています。
このような状態で塗装業者から「4回塗りしておきました!」と言われても、お客様側として信じられないのが正直な気持ちだと思います。
お客様側で見れないのをいいことに、悪徳業者は4回塗りで見積もりを出しておいて実際は3回塗りしかしないといった事も…。
あなたが悪徳業者を選んでしまった場合、行われない工事分のお金を無駄に払うことにもなりかねないので、塗り回数が適切かを確かめる方法を、私と一緒に確認しておきましょう。
塗り回数が適切かを確かめるために塗布量を確認しましょう!
外壁塗装の塗料には、それぞれ塗布量(とふりょう)と呼ばれる、塗るべき塗料の量が決まっています。
世の中たくさんの塗料の種類がありますが、どの塗料も同じ塗布量になっているわけではありません。
例えば以下の4つの塗料を見てみましょう。
塗料名 | 塗布量(kg/m²/回) | 1缶(約15kg)当たりの塗り面積 |
---|---|---|
パーフェクトトップ | 0.11~0.17 | 88~136 |
オーデフレッシュSi100 Ⅲ | 0.14~0.17 | 88~107 |
セラミクリーン | 0.6~1.4 | 11〜26 |
ナノコンポジットW | 0.12〜0.18 | 42〜63 |
どれも外壁用の塗料になりますが、塗布量がそれぞれ違うので、1㎡か1kgあたりに塗れる量も変わってきます。
それでは、あなたのお家の外壁面積では、どのくらいの塗料量が必要なのか、簡単な計算式で確かめてみましょう。
本当に見積もり通りの塗り回数が行われるか確かめる方法
あなたのお家の外壁面積を塗るために、どのくらいの塗料量=塗料缶が必要なのか、簡単な2つの計算式を使えば出せます。
計算式1:必要な塗料の量を確かめる
塗布量(使用量) × 外壁面積 = 外壁を塗るのに必要な量
計算式2:必要な塗料缶がいくつになるか確かめる
外壁を塗るのに必要な量 ÷ 約1缶分の量(kg) = 必要な塗料缶(塗料の量)
この2つの計算式を使うことで、あなたのお家で必要な塗料量=塗料缶の個数が分かるので、4回塗り分の塗料の量が用意されているか確かめる事ができます。
それでは実際に、以下の例を使って塗料の量を確かめてみましょう。
- 塗料:パーフェクトトップ
- 外壁:118㎡(約30坪)
計算式1:必要な塗料の量を確かめる | ||
---|---|---|
塗布量 | 外壁面積 | 外壁を塗るのに必要な量 |
0.11 | 118㎡ | 12.98kg |
計算式2:必要な塗料缶がいくつになるか確かめる | ||
---|---|---|
外壁を塗るのに必要な量 | 約1缶分の量(kg) | 必要な塗料缶(塗料の量) |
12.98kg | 15kg | 0.86缶(約1缶) |
この計算式を使うと、外壁が118㎡だとすると、1回塗りをするのにパーフェクトトップが約1缶必要になるので、4回塗りであれば約4缶が必要だという事になります。
大事なのは塗り回数ではなく、あなたの外壁の大きさに対して必要な塗料が確保されているかが重要だという事です。
こんな場合は注意が必要!外壁塗装業者の中には、見積もりをいい加減に書いて、塗料名が分からなかったり何回塗りかも示さない業者もいます。
このような業者は、あなた自身で確かめさせないよう意図的に隠している場合もあるので、塗料名や必要な塗料缶の数も明記していない見積もりを出す業者とは、契約しないようにしましょう。
4回塗りで提案する業者はいるけど、外壁塗装はなぜ3回塗りが基本と言われているのか
外壁塗装で4回塗りや5回塗りを提案する業者はたくさんいます。
しかし、そもそもなぜ3回塗りが塗装工事の基本だと言われているのかが分からないと、4回塗りの意味も5回塗りの意味も分からないので、私と一緒に3回塗りがなぜ基本だと言われているのか見てみましょう。
塗料メーカーが塗料の効果を発揮させる塗り回数をすでに実験済み
塗り回数を増やせば、それだけ塗料の量も必要になりますし、職人の人件費もかかるので、支払うお金が増えていきます。
外壁塗装というものは、あなたのお家の良い状態を保つのに、約10年サイクルで行なっていく建物の為のメンテナンス。
しかし、約30坪のお家だと1度の塗装工事で100万円前後はかかってくるので、10年サイクルだと3〜4回は行う計算になります。
3〜4回もすると、一般的に考えて300〜400万はお金がかかってしまうので、どうしても塗装工事に躊躇したり、お金の不安が出てきてしまいます…。
塗料メーカーも、そのような状況が分かっているので、お客様方の費用をあまりかけないよう、塗料の効果を最大限発揮できる塗り回数を、何度も実験やシミュレーションを行なって、導き出しています。
それが以下の塗り回数です。
- 1回目:下塗り
- 2回目:中塗り
- 3回目:上塗り
この3回塗りが塗装工事の基本であり、どの業者も守っているルールになっています。※塗料によっては、3回よりも多い塗り回数を指定されていることもあります。
外壁の状態によっては塗り回数を増やす必要がある?
外壁塗装の基本は3回塗りではありますが、外壁の状態によっては3回塗りでは足らない場合もあります。
例えば、外壁の状態が悪く、塗装時に通常以上の塗料を吸い込んでしまう場合は、通常よりも少し厚めに塗ったり、塗り回数を増やす事もあります。
ただ単に塗り回数を増やしても意味がなく、あなたのお家の状態によって使用する塗料も違えば、塗る量や回数も違ってくることを、覚えてもらえればと思います。
外壁がどういう状態だったら4回塗りが必要なの?
あなたが外壁塗装の見積もりをとる場合、4回塗りの提案される機会があるかもしれません。
しかし、4回塗りだから「絶対に良い」というものではなく、外壁の状態や今後のメンテナンスを考えると、4回塗りで余計にお金をかけなくても3回塗りで十分な場合があります。
どのような状態だと4回塗りが必要なのか、私と一緒に確認してみましょう。
外壁の状態 | 必要な塗り回数 | 詳細 |
---|---|---|
築10年以上が経過 | 3回塗り | 外壁材の劣化がそこまで酷くなければ、基本の3回塗りで十分対応ができます。 |
築20年以上が経過して初めての塗装 | 3回塗りか4回塗り | 築20年以上経過をして初めての塗装の場合、外壁材の痛みが強くでてしまっている可能性があります。外壁材の状態が悪ければ、4回塗りを検討する必要があります。 |
築20年以上が経過して2回目の塗装 | 3回塗り | すでに1度目の塗装を終えて、2回目の塗装であれば、外壁材も良い状態を保っている可能性があります。その場合は、無理に4回塗りではなく基本の3回塗りでも問題ない場合があります。 |
外壁材の痛みが激しい | 4回塗り | 外壁材の状態が悪い場合、塗料を吸い込みやすくなっているので、下塗り材を2回ほどしなければいけない場合があります。そうしないと、中塗りや上塗りをしたときに塗膜の厚さを保つことができなくなるからです。 |
※お家の状態によっては異なる場合もありますので、参考として見て頂ければと思います。 |
こちらの表は目安となっているため、あなたのお家の状態によって3回塗り・4回塗りをするべきか決まってきます。
3回塗りがいいのか、4回塗りがいいのか、あなたのお家の状況をしっかりと判断できる優良店選びが、とても重要になってくることを覚えておいてほしいです。
なぜ外壁材の劣化が激しいと4回塗りが必要なの?
外壁材の劣化が激しいと、古い塗装を剥がしたあとに、新しく塗る塗料を吸い込みやすくなっているので、外壁塗装として必要な塗膜(塗装の膜)が薄くなってしまいます。
塗膜が薄いとすぐに剥がれる原因にもなるため、外壁材へ一番最初に塗る下塗り塗料を1回だけでなく2回分塗る必要も出てきます。
こういった場合、基本の3回塗りではなく4回塗りになります。
外壁塗装で4回塗りをした場合の流れは?
外壁塗装で4回塗りをする場合、どのような流れになるのか見てみましょう。
- 下塗り 1回目
- 中塗り 2回目+3回目
- 上塗り 4回目
色のついた塗料を4回塗る
- 下塗り 1回目+2回目
- 中塗り 3回目
- 上塗り 4回目
下塗りを2回塗る
どちらの方がいいかというと、下塗りを2回塗る方の4回塗りを選びましょう。
塗料メーカーからほとんどの場合、中塗り・上塗りは各1回塗りずつを指定されています。※塗料の種類によっては中塗り・上塗りで3回塗りをする場合もあります。
外壁材の状態が悪いのに、下塗りを1度しか塗らず、塗った分の大半が外壁材に染み込んでしまった場合、そのまま仕上げ用の塗料を塗ったとしてもすぐに剥がれる塗装になる可能性があります。
下地の状態によっては、2回ではなく3回塗る場合もあり、そうなると5回塗りとなります。
4回塗りが必要な条件として、外壁材(下地)の状態が悪い場合に必要な塗り回数だと覚えてもらえればと思います。
外壁塗装は塗り回数ではなく優良店選びが一番大事
あなたが外壁塗装をするために、複数社に見積もりをお願いして業者決めを行う時、3回塗りと4回塗りとそれぞれ業者ごとで提案内容も違ってくるはずです。
ただ単に塗り回数を増やした外壁塗装をしてもあまり意味がなく、しっかりとあなたのお家の状況診断と、その状況に合った外壁塗装ができる優良店を選ぶことが一番大事になります。
また、4回塗りを提案されたとしても、お家の状況がどういう状況だから4回塗りが必要なのか、きちんと説明をしてくれる業者を選ぶことも大事です。
4回塗りが必要ないのに、4回塗りを承諾してしまうと、余計なお金がかかってしまう事に。
あなたの大切なお家の外壁塗装だからこそ、あせらずゆっくりと、一つ一つ確かめながら進めてもらえればと思います。
最後に…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
外壁塗装の4回塗りについてまとめてきましたが、分かりづらいところやもっと知りたい情報はありましたか?
どんな小さなことからでもご相談を無料で受け付けているので、お気軽に以下の外壁塗装に関するご相談フォーム・お電話にてご連絡くださいね。
あなたにとって、外壁塗装の4回塗りに関する安心・納得の情報になれれば嬉しいです。
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