屋根にはいろいろな種類がありますが、現在多くのお家で使われている「スレート屋根」は、縁切り(えんぎり)という作業をする必要があるんです。
縁切りや、縁切りに使われるタスペーサーという道具についても、私と一緒に確認していければと思います。
縁切りの役割
縁切りとは、スレートという種類の屋根を塗装するときに行われる作業のこと。
スレート屋根は、カラーベストやコロニアルとも呼ばれ、セメントで出来た薄い板状の屋根材を敷き詰めて作られていますが、屋根材と屋根材の間に隙間を空ける作業が縁切りです。
屋根塗装は基本的に塗料を3回塗り、塗料が乾くと保護膜になって屋根を守ってくれますが、スレート屋根は塗装をすると、屋根材の隙間が塗料で埋まってしまいます。
隙間がなくなるということは、雨水が侵入するのを防ぐことができるように思えますが、実は逆効果になり、雨水がキレイに流れることができず、雨漏りの原因になってしまうんです。
スレート屋根塗装は、ただペンキを塗るのではなく、縁切りで屋根材に適切な隙間を空けることで、雨漏りのトラブルからお家をしっかり守ることができます。
そのため、塗装業者さんから見積書をもらったときに、縁切りの見積もりが書かれていない場合は、必ず確認するようにしましょう。
縁切りで活躍するタスペーサーってなに?
縁切りは、以下のように2種類の方法があります。
- カッターを使って隙間を空ける
- タスペーサーを使って隙間を空ける
カッターを使って縁切りする方法は、今ではほとんど行われていませんが、中にはカッターで縁切りをする塗装業者さんもいます。
しかし、現在の縁切りは、タスペーサーという部材を使うことが多いです。
タスペーサーは約4㎝四方の、強力なプラスチックで出来た小さな部材で、屋根材の間に差し込んで使います。
下塗り・中塗り・上塗りの中でも、下塗りのあとにタスペーサーを差し込んでから中塗り・上塗りを塗ることで、塗料によって隙間が埋まることはなくなるんです。
約30坪の一般的なお家であれば、約100個近くタスペーサーを使いますが、カッターで切っていくのに比べて効率的なので、ほとんどの塗装業者さんはタスペーサーを使って縁切りをします。
ラバーロック工法に注意!
屋根材の隙間を埋めると、雨水の逃げ道がなくなって、逆に雨漏りを引き起こしてしまいますが、専門的な知識になるので、この現象を知らない人はたくさんいます。
しかし、これを利用して工事費用をだまし取る悪徳業者が、塗装業界にはたくさん潜んでいます。
悪徳業者は、不適切な工事をしてあなたからお金を奪い取ろうとしますが、屋根修理はとくに地上から見えないため、悪徳業者にとって不正のしやすい場所です。
雨漏りや屋根の修理をする際、見積書に「ラバーロック工法」とある場合は注意が必要で、コーキング材(シーリング材)という弾力のある樹脂を使って、屋根材の隙間をすべて埋めてしまう工事のことを指します。
「屋根の隙間を全てコーキングしたので雨水は入りません!」と言われると、雨漏りの心配がないと思ってしまうかもしれませんが、悪徳業者の使う典型的な手口なので、必ずほかの業者さんと比較してから、塗装業者さんを選ぶようにしましょう。
屋根には適正なコーキング工事があります
屋根全体の隙間をコーキング材で埋めてしまう工事は、悪徳業者が使う不正な工法ですが、屋根にコーキング工事を行うこと自体は悪いことではありません。
屋根材のひび割れ補修や、板金(屋根の山・谷部分)の隙間など、適切な工事であれば問題ないので、優良業者さんでも屋根補修にはよくコーキング工事を行います。
埋めてはいけない隙間までコーキング工事をしてしまうのが、悪徳業者と言えるので、屋根のコーキング工事が見積もりにある場合は、作業内容を詳しく確認することが大切です。
また、屋根材のひび割れ補修など適正なコーキング工事であっても、一時的な補修になるので、築年数が10年以上経っていたり、屋根塗装や葺き替えなどを優良業者さんに勧められた場合は、お家全体のメンテナンスを検討しましょう。
コン美についてはこちらのページを見てね!
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