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外壁塗装の訪問業者との契約を取り消したいのに取り合ってくれません。クーリング・オフはできますか?

外壁塗装の訪問業者との契約を取り消したいのに取り合ってくれません。クーリング・オフはできますか?

お客様からのお悩み ある日、私の家に外壁塗装工事をやっているA社の営業マンがやってきて、「お宅の外壁の塗装がぼろぼろですよ。」「はやく修復しないと家屋にも雨水がしみこむなどの影響が出てしまいますよ。」などといいながら、玄関先に長く居座るので断われず、外壁塗装工事の契約をしてしまいました。
しかし、改めて自分の目で自宅の外壁を見たところ、塗装が剥げているところもありませんし、何より1年前に外壁の塗装工事をしたばかりですので、もう少し時間を置いてから工事をすれば十分だと思いました。
そこで、今回はやはり外壁塗装工事をするのはやめようと考え、契約をしてしまった日の翌日、「クーリング・オフをしたい」とA社に電話で連絡をしたところ、「契約したじゃないですか。」「今更クーリング・オフなんてできませんよ。」といって、一向に取り合ってくれません。 このような場合、私はどう対処したらいいでしょうか。

外壁塗装で契約をしたあとに取り消しをする「クーリング・オフ」について、小栗総合法律事務所の小栗先生に聞いてみました。外壁塗装のクーリング・オフでお悩みのあなたのお力になれれば嬉しいです。

ご質問のご回答

一度塗装工事の契約をしてしまったけれど、取り消したい、というお話ですね。

ここでは、外壁塗装業者に対してどのような主張ができるかを考えていきたいと思います。

クーリング・オフとは

クーリング・オフとは、訪問販売などで契約した商品やサービスを、一定期間内であれば無条件で解約することができる制度のことで、消費者の保護のために設けられたものです。

クーリング・オフができる契約には一定の条件があり、すべての契約で認められるものではありませんので、注意してください。

クーリング・オフが認められる場合とは

特定商取引法で認められているクーリング・オフの場合、

  • 訪問販売(ただし、自分から連絡を取って自宅に来てもらったケースは含みません。)
  • 電話勧誘販売
  • 訪問購入

これらのような、一定の取引形態の場合に行うことが認められます。

また、クーリング・オフが認められる期間には制限があり、先に例として挙げた訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入などのケースの場合、契約をして、契約書や申込書を受け取った日を1日目として計算し、8日目までの間に契約を交わした相手に対してクーリング・オフをする意志意思を表示する申し出る必要があります。

クーリング・オフの方法

上記でお話しした通り、クーリング・オフの申し出は期間制限があるため、

  • クーリング・オフの申し出をした事実
  • クーリング・オフの申し出をした日

この2つを証拠として残せる方法が適切です。内容証明郵便が最も確実ですが、急いでいる場合はハガキやファックスなどで申請する方法もあります が、この場合はハガキのコピーやFAXの発信履歴を残して、送った日時を証拠として残しておきましょう。

8日を過ぎたらクーリング・オフはできないの?

「クーリング・オフが認められる場合」のところで、原則として8日以内に申し出ることが必要と説明しましたが、以下のように例外もあります。

  • 例外1:塗装業者から契約書や申込書面を受け取っていない
    または、受け取っていてもその書面が法定の要件を満たしていない場合
  • 例外2:塗装業者から「クーリング・オフは適用されない」「クーリング・オフはできない」など嘘の説明をされた場合

例外1の場合

例外1の場合、法定の要件を満たす書面をあなたが受け取るまで、クーリング・オフを行うことができる日の計算がされません。

つまり、あなたが書面を受け取るまではいつでもクーリング・オフができます 。

書面に関する法定の要件はいろいろありますが、一つ例を挙げると、「この契約はクーリング・オフが可能なものである」ということを赤枠の中に赤字(フォントサイズ8ポイント以上)で記載しなければならないという要件があります。

例外2の場合

例外2の場合、塗装業者から書面で「クーリング・オフが可能であること」という説明を書面で受け取り、クーリング・オフを妨害される状態が解消されるまでは、いつでもクーリング・オフができます。

このように、あなたが塗装業者から契約書面を受け取ってから8日以上経ってしまった場合でも、クーリング・オフができる場合もあります。

8日以上経ってしまったという場合は、弁護士などの専門家にクーリング・オフができるかどうかを相談するのがオススメです。

契約書や申込書を受け取っている場合は、クーリング・オフが出来るかどうかを判断するためにとても大切な証拠となるので、相談する時はかならず持っていくようにしましょう。

今回のご相談のケースでは

塗装業者の営業マンが突然あなたのお家にやってきたという訪問販売の場合は、特定商取引法に基づいてクーリング・オフを行うことができます。

上記でお話ししたように、クーリング・オフは一方的に、かつ、無条件で解約できる制度なので、塗装業者が取り合ってくれないとしても全く問題はありません。

ただし、クーリング・オフを行うときは、あなたがいつクーリング・オフをしたかを証拠として残すことがとても大切なので、クーリング・オフの通知を塗装業者に対して行う方法は、電話ではなく 郵送やファックスで文書を送るのが適切です。

私が一番オススメしたい方法は、クーリング・オフの通知をしたこととその日を明確に残すことができる内容証明郵便ですが、決まった方式で文書を作る必要があり、少し複雑な内容なので、急いでいる場合や難しいと感じた場合はハガキやファックスで行っても大丈夫です 。

また、時間に余裕があれば、弁護士に相談して文書を作ってもらい、内容証明郵便で送ることをオススメします。

もしも、塗装業者が「クーリング・オフなんてできませんよ。」と言ったことを信じてしまい、すでに契約書を受け取ってから8日以上が経ってしまった場合でも、あきらめる必要はありません。

クーリング・オフが可能なのに「できない」と塗装業者 が説明したことで、塗装業者が文書で「本当はクーリング・オフが可能な契約である」と説明するまではクーリング・オフができる 期間は例外的に延長されるので、あせらずに手続きを進めましょう。

小栗先生の紹介ページはこちら 今回、外壁塗装のクーリング・オフについてご回答いただいた、小栗先生の詳細は下記ページで確認できます。 今ご覧いただいている記事以外にも、外壁塗装で起きるトラブルについて記事を監修いただいているので、そちらも下記ページからご確認いただければと思います。
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