- | 保険(1)
突然の地震や地震によって起きた火災、津波や噴火などの災害は、あなたの生活に何の前触れもなく大きな損害をもたらします。もしも地震などの影響であなたのお家に損害があった場合、地震保険に加入していれば、地震保険で定められている損害を申請して認定をされることで、お家を直すための保険金がもらえるかもしれません。あなたのお家が、地震保険に適用されるかどうかを診断するためにはどうすればいいのか、私と一緒に確認していきましょう。
地震保険や、地震保険が適用されるかどうかの知識を身につけておくことで、あなたのお家が地震などで損害を受けたときに、地震保険を最大限活用できるようになります。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
地震保険とは?
地震保険とは、地震などによってあなたのお家や家具などに損害が出てしまった場合、それを補償してくれる保険です。
お家を守るための保険に「火災保険」もありますが、地震保険は火災保険とセットで加入するもので、火災保険には加入せずに地震保険だけ加入する、といったことはできません。
それは、火災保険だけでは地震の損害を補償することができないからです。
基本的に火災保険には自動で地震保険が付いてくるようになっており、地震保険に加入しない場合は、不要の申請をする形になっています。
地震の損害は、甚大な規模になる可能性があるため、その場合は保険会社が保険金を支払うことができなくなることもあります。
そういった保険会社が負う危険性をなくし、損害を受けた人々を助けるために、国が保険会社と一緒に運営をするのが地震保険です。
その為、保険の金額や内容は保険会社ごとに違うといったことはなく、どの保険会社の地震保険も、同じ内容になっています。
地震保険の期間は?
地震保険の保険期間は最長5年となっており、契約は1年ごと、または5年ごとに継続することになります。
保険期間が1年の地震保険は1年毎に、保険期間が5年の地震保険は5年毎に、自動で保険期間が延長されるため、自動継続をしない場合には、保険会社に連絡する必要があります。
地震保険が適用される条件は?
地震保険は、どんな場合でも適用されるわけではありません。
適用される条件を、ここでしっかり確認しておきましょう。
地震保険が適用される建物
地震保険が適用されるのは、あなたが住むお家、つまり「居住用の建物」で、あなたが暮らすための建物が対象なので、マンションに住んでいる場合も適用されます。
逆に、居住が目的ではない建物は適用されず、事務所や店舗などがそれにあたります。
なぜ事務所や店舗は対象外かというと、地震保険の目的は、「あなたの生活の再建」だから。
地震などによって損害を与えられた人々の、生活を安定させるために設けられている保険であるため、住居以外の建物は適用されません。
地震保険が適用される損害
地震保険の対象となる損害は、どの保険会社でも以下の通りになっています。
- 地震が原因の火災
- 地震が原因の損壊
- 噴火が原因の埋没
- 津波が原因の流失
あなたが「火災保険」に入っていれば、火災によって起きた損害は全て補償してくれる…というのは間違いで、地震が原因で起きた火災の場合は、火災保険では補償されません。
そのため、火災保険に加入していても、地震保険に加入していなければ、地震が原因で火災が起きても補償されないということなので、こういった危険を防ぐためにも、火災保険と地震保険はセットになっているんです。
地震保険が適用される期間
あなたが地震保険を使うためには、決められた期限以内に申請をする必要があります。
地震などが発生した翌日から数えて10日を過ぎると、それ以降に起きた被害では保険金をもらうことが出来ません。
つまり、補償が適用されるのは、地震などの災害が発生してから10日以内です。
これは、地震保険の大前提として、「地震が原因の損害」でなければ適用できず、それを判断できる基準として10日間の期限を設けているんです。
しかし、あなたがすぐに損害に気づけない場合もあるため、地震などが発生してから10日を過ぎても保険金をもらえる可能性もあります。
あなたのお家に生じた損害が、地震による損害かどうかや損害の規模を調べるためには、鑑定士が診断をしに来ますが、もし、地震から年月が経過していても、鑑定士に「地震による損害」と診断してもらえる可能性もあるので、災害から10日が過ぎてしまっても諦めずに申請してみましょう。
地震保険でもらえる保険金
地震保険で受け取ることができる保険金は、どのように決まるのでしょうか?
いろいろな面から、地震保険の保険金について確認してみましょう。
地震保険の保険金額はいくら?
地震保険は火災保険と違って、金額設定方法や補償内容がどの保険会社でも共通しています。
火災保険は民間の保険会社が独自に運営しているものですが、地震保険は国と保険会社が共同で運営するものなので、保険料や補償内容も同じです。
最近では、地震保険とは別に、「SBIリスタ少額短期保険株式会社」が運営する、「地震補償保険リスタ」というものも出てきています。
これは、単体でも加入できる地震保険になっていますが、国ではなく民間の保険会社が運営している為、大規模な損害で保険会社が保険金を支払うことができないといった可能性もあるので注意が必要です。
地震保険金額の設定は火災保険金額の半分まで
地震保険の金額は、火災保険の金額の半分までしか設定することができません。
詳しく言うと、火災保険金額の30~50%の金額で設定をします。
これは、地震で起きる損害は大規模なものになる可能性があり、その際に莫大な保険金を支払うとなると、損害保険会社や国にも限界があるため、保険金を支払えないといった事態を防ぐための政策です。
また、その中でも限度額があり、建物の保険金額は最大5000万円まで設定できます。
あなたがもらえる地震保険の保険金額はどうやって決まる?
あなたが地震保険でもらえる保険金額は、地震などで受けた損害の規模に応じて決まります。
損害の規模 | もらえる保険金額 |
---|---|
一部損 | 地震保険の保険金額の5%(時価の5%が限度) |
小半損 | 地震保険の保険金額の30%(時価の30%が限度) |
大半損 | 地震保険の保険金額の60%(時価の60%が限度) |
全損 | 地震保険の保険金額の100%(時価が限度) |
このように、損害の規模が4つに分けられており、それに伴ってもらえる保険金額の割合も決められています。
地震保険における損害の規模とは?
地震保険の保険金額を決めるために、
- 「主要構造部の損害額によって決まる場合」
- 「消失または流失した床面積によって決まる場合」
この2種類の損害に分けられており、損害の規模はそれぞれ4つに区分されています。
主要構造部の損害額によって決まる場合
「主要構造部」とは、お家の骨となる軸組や基礎、お家の外装となる屋根や外壁などのことを指し、建物の構造上とても重要な役割を持つ部材です。
損害の区分 | 損害の割合 |
---|---|
一部損 | 建物の時価の3%以上20%未満 |
小半損 | 建物の時価の20%以上40%未満 |
大半損 | 建物の時価の40%以上50%未満 |
全損 | 建物の時価の50%以上 |
消失または流失した床面積によって決まる場合
「消失または流失した床面積」とは、噴火や津波などによって流されてしまったお家の床面積がどのくらいかということです。
損害の区分 | 損害の割合 |
---|---|
一部損 | 建物が全損・大半損・小半損に至らず、床上浸水または地盤面より45㎝以上の浸水を受け、損害が生じた場合 |
小半損 | 建物の延床面積の20%以上50%未満 |
大半損 | 建物の延床面積の50%以上70%未満 |
全損 | 建物の延床面積の70%以上 |
損害区分は2017年に改定されたばかり
損害の規模は現在4つの区分に分けられていますが、2017年1月、地震保険料の値上げと共に損害区分が改められて今の形になっています。
上記でお話した、現在の損害区分や支払われる保険金額をまとめると、以下の通りです。
現在(2017年1月以降)
損害の割合 | 損害の区分 | もらえる保険金額 |
---|---|---|
主要構造部の損害額:建物の時価の3%以上20%未満 | 一部損 | 地震保険の保険金額の5%(時価の5%が限度) |
消失または流失した床面積:建物が全損・大半損・小半損に至らず、床上浸水または地盤面より45㎝以上の浸水を受け、損害が生じた場合 | ||
主要構造部の損害額:建物の時価の20%以上40%未満 | 小半損 | 地震保険の保険金額の30%(時価の30%が限度) |
消失または流失した床面積:建物の延床面積の20%以上50%未満 | ||
主要構造部の損害額:建物の時価の40%以上50%未満 | 大半損 | 地震保険の保険金額の60%(時価の60%が限度) |
消失または流失した床面積:建物の延床面積の50%以上70%未満 | ||
主要構造部の損害額:建物の時価の50%以上 | 全損 | 地震保険の保険金額の100%(時価が限度) |
消失または流失した床面積:建物の延床面積の70%以上 |
これに対して、以前の損害区分は以下の通り。
2017年1月以前
損害の割合 | 損害の区分 | もらえる保険金額 |
---|---|---|
主要構造部の損害額:建物の時価の3%以上20%未満 | 一部損 | 地震保険の保険金額の5%(時価の5%が限度) |
主要構造部の損害額:建物の時価の20%以上50%未満 | 半損 | 地震保険の保険金額の50%(時価の50%が限度) |
主要構造部の損害額:建物の時価の50%以上 | 全損 | 地震保険の保険金額の100%(時価が限度) |
現在の損害区分は、一部損・小半損・大半損・全損の4区分ですが、2017年1月までは、上記のように3区分という少ない区分けでした。
3つという大きな区分は支払われる保険金の格差が大きく、不満の声も大きかったのではないかと言われています。
例えば、地震保険金額が1000万円の場合、半損と認められれば地震保険金額の50%である500万円をもらうことができますが、一部損と認められると、地震保険金額の5%である50万円と、もらえる金額が一気に下がってしまいます。
もし、お家の損害が半損に近い状態でも、一部損と認められてしまえば5%の保険金しかもらえないといったことが起こり、損害区分を4つに増やしたことで、より多くの人が損害に見合った額の保険金を受け取りやすくなりました。
地震保険における「時価」とは?
地震保険であなたがもらえる保険金額や、損害の割合を示すときに、「時価」という言葉が出てきます。
少し複雑ですが、地震保険の時価とはいったいどういうものなのか見てみましょう。
新価と時価
新価
新価とは、あなたのお家と同等の建物を新しく建てたり購入するために必要な金額のこと。
つまり、あなたのお家が新品な状態の時の金額であり、再調達価額とも呼ばれます。
時価
時価とは、もし今あなたのお家を売る場合、いくらで売れるかという金額のこと。
地震などに合った場合は、それによる損害や経年劣化も含めたお家の価値を指します。
支払われる保険金額を決められる時の時価の考え方
では、「あなたがもらえる地震保険の保険金額はどうやって決まる?」「地震保険における損害の規模とは?」でお話した、あなたがもらえる地震保険の保険金額を、時価を含めて再度確認していきましょう。
まず、火災保険は基本的に新価(再調達価額)で契約をします。
例として、火災保険を4000万円で契約した場合の、あなたがもらえる地震保険の保険金を見てみましょう。
1.火災保険:4000万円で契約→地震保険:2000万円で契約
地震保険は、火災保険の金額の30%~50%の金額で契約をします。
ここでは50%の2000万円で契約したとします。
・
・
・
数年後…
2.お家の価値が3500万円になった
年月が経ち、お家の価値が3500万円に下がりました。
この時の時価は3500万円ということになります。
3.この時、地震などでお家に損害を受けた場合にもらえる地震保険の保険金額は?
「地震保険における損害の規模とは?」の表でもお話させていただきましたが、以下のように、お家の軸組や基礎、外壁、屋根などの「主要構造部分」の損害を受けた金額が、お家の時価の50%以上の場合、損害規模は「全損」とみなされ、全損と認定されると、地震保険の保険金額の100%を受け取ることができます。
損害の割合 | 損害の区分 | もらえる保険金額 | |
---|---|---|---|
主要構造部の損害額: 建物の時価の50%以上 | 全損 | 地震保険の保険金額の100% (時価が限度) | |
例の場合 | 1750万円 | 2000万円 |
今回の例の場合、現時点での建物の時価は3500万円で、建物の時価の50%は1750万円ということになります。
つまり、損害額が1750万円以上であれば、地震保険の保険金額である2000万円をもらえるということです。
では次に、もらえる保険金額の「時価が限度」とはどういうことでしょうか。
例では、現時点でのお家の時価は3500万円ですが、時価とはその時々のお家の金額なので、3500万円よりも低い場合ももちろんあります。
しかし、人が住めるような状の維持や管理ができていれば、お家の時価は最低でも新価(再調達価額)の50%までしか下がりません。
例の場合、新価(再調達価額)は4000万円でしたので、時価は4000万円の50%となる2000万円より下がることはないということです。
つまり、お家の損害の規模が全損とみなされてもらえる保険金額が100%のとき、どんなにお家の時価が下がっても、例の場合は2000万円は確実に保険金がもらえるということです。
地震保険と火災保険は保険金額の決め方が違う
あなたのお家を守るためにある火災保険と地震保険。
これらはどの保険会社でもセットで加入するようになっている、切っても切れない関係です。
しかし、お家を守る保険でも、火災保険と地震保険とでは保険金額の決まり方が違います。
火災保険は、あなたのお家で損害を受けた分の金額を、それぞれの部位など細かく見て計算して保険金額を算出していきます。
火災保険の保険金額の決め方の例
・台風によって瓦が10枚割れていて、10枚交換=○○円
・台風によって雨樋が曲がっていて、雨樋を交換=○○円
・
・
・
合計=○○円
一方、地震保険はあなたのお家全体を見て、損害の程度(一部損・小半損・大半損・全損)を調べることで保険金額を決定します。
火災保険のように、部材ごとに実際の修理費用や損害額を支払うわけではなく、全体の何%がどの程度の損害を受けているかで判断をしていきます。
地震保険の保険金が支払われない場合
「地震保険が適用される条件は?」でお話しさせていただいたように、地震保険が適用されるには条件があります。
では逆に、あなたが地震保険に加入していても地震保険の適用外になってしまうのはどんな場合があるのか確認しておきましょう。
一部損に至らない損害
地震保険における損害規模の区分は、損害の大きい順に、全損・大半損・小半損・一部損となっていますが、一部損とは、この区分の中で一番小さい損害のこと。
この一部損に満たない規模の損害の場合は、地震保険が適用されません。
地震などが発生した日の翌日から10日を過ぎたあとに発生した損害
地震や地震によって起きた火災、または噴火や津波などが起きた次の日から10日以降に受けた損害は、地震保険が適用されません。
ただし、10日を過ぎても損害が地震によるものと認められた場合は、地震保険が適用されることもあるため、ひとまず申請してみるのがお勧めです。
外壁ではなく、門や塀、垣のみに損害が起きたもの
地震保険は、あなたのお家本体を守るためのものであり、お家の門や垣、塀、車庫、物置などの損害は適用外となります。
主要構造部と呼ばれる、お家の軸組や基礎、外壁、屋根などが対象になるので、覚えておきましょう。
もらえる保険金額が削減される場合
大規模な災害が起きれば、それに伴って地震保険に加入している人々に支払われる保険金額も当然莫大なものになります。
すると、民間の保険会社では保険金額を支払いきれなくなってしまう恐れもあるため、そういった事態を避けるために、地震保険は火災保険とは違って国と保険会社とで運営しています。
その際の措置として、政府は「日本地震再保険株式会社」での再保険という形で、あなたの生活を支援してくれます。
一回の地震で全ての損害保険会社が支払う保険金の総額が11.3兆円を超える時は、下記の算出方法によって保険金額が決まり、あなたのもらえる保険金額が削減されることがあります。
※ここで言う「1回の地震」とは、72時間以内に起きた2回以上の地震などは一括して1回と数えられます。
11.3兆円
あなたの算出された保険金額×———————————————–
全社で算出された保険金の総額
=あなたに支払われる保険金額
地震や噴火・津波によって受ける損害は、時に計り知れない規模になる場合がありますが、その際に、あなたがきちんと保険金をもらえるように、このような措置が設けられています。
地震保険の保険金をもらうには、診断が必要
あなたのお家が地震などの影響で損害を受けたとき、その損害が地震保険に適用されるかどうかや、適用される場合は保険金をいくらもらえるのかを診断してもらう必要があります。
地震保険の診断とはどんなものなのか、それぞれ確認してきましょう。
地震保険の診断は誰が行うの?
地震保険の診断を行うのは、各保険会社が委託している鑑定会社の鑑定人です。
日本損害保険協会は、日本損害保険鑑定人協会という損害保険の鑑定人の団体を設けており、試験に合格することで、「損害保険登録鑑定人」になることができます。
地震保険の鑑定は、「損害保険登録鑑定人」でなくても行うことができますが、保険会社が委託をする時の基準として、この試験に合格している鑑定人を選ぶことがほとんどです。
基準はあっても鑑定人によって診断結果に差がつく?
鑑定人は、地震などによる損害を認定するための基準に沿って診断していきますが、実際には鑑定人によってバラつきのある診断になってしまっていることがあるようです。
地震保険は、もらえる保険金額も、設定した保険金額の5%・30%・60%・100%か、認定されずもらえないか、この5つのどれかにしかならないので、診断が少し変わるだけでもらえる保険金額が大きく変わってきます。
別の鑑定人に再診断を依頼することもできますが、そういった手間を省くため、適正な保険金額をもらうためにも、鑑定人はきちんと診断できる人を選びましょう。
診断にはどのくらい時間がかかる?
地震保険の診断には、お家の大きさや損害状況によって変わりますが、約1~2時間前後となっています。
中には1時間に満たない時間で診断を終える鑑定人もいるようですが、しっかりと時間をかけて丁寧に診断してもらいましょう。
どこを診断する?
地震保険の診断をするのは、お家の主要構造部と言われる、基礎・軸組・屋根・外壁など。
日本損害保険協会が定めた「地震保険損害認定基準」に従って、各主要構造部でどのくらいの損害を受けたのかを割合で調べていきます。
地震保険の損害に気づいたら、写真に収めておく
地震などが起きて、あなたのお家の損害に気づいたら、すぐに写真に撮って収めておくことをお勧めします。
地震保険の診断基準では、あなたのお家に生じた損害が地震などによるものなのかどうかも重要になるため、それをいかに証明するかが肝になります。
証拠として写真を撮っておくことで、地震が原因の損害であると証明されて、保険金をもらえる確率が上がる可能性があるので、損害に気づいたら、写真に収めておくようにしましょう。
地震保険の診断は、再診断を依頼することも可能
もし、鑑定人の診断結果に満足できなかったり、納得できない部分がある場合は、別の鑑定人にもう一度診断してもらうことができます。
ただ、最初の診断で鑑定人が気づかない損害は、あなたからしっかりと伝えることによって、再診断の手間なく、正確に診断してもらうことができます。
それでも疑問の残る診断結果だったときは、再度診断をしてもらってみましょう。
地震保険の診断が必要ない場合
地震や津波、噴火などの被害が大きい場合は、被害の起きた全ての地域が「全損地域」として指定されることがあり、この場合は地震保険の申請をする際、鑑定人による診断を受けずに保険金をもらうことができます。
地震という災害は、被害が及ぶ規模が広くなる場合が多く、その分、地震保険の保険金を申請する人も多くなります。
つまり、地震保険は多くの人が一斉に保険金を請求するものなので、そういった事態も加味して、保険金の支払いがスムーズに行われるように、このような政策が設けられているんです。
保険証券を無くしてしまった場合
地震などの被害が大きいと、地震保険の申請をしたくても保険証券を紛失してしまうこともありますが、万が一保険証券をなくしてしまっても、あなたの身分証明書があれば保険金の請求や保険証券の再発行をすることができます。
保険証券の再発行手続きをして保険証券が届くまでに事故があった場合も、補償は適用されるので安心です。
また、あなたがどの保険会社に加入しているかわからない時は、日本損害保険協会が開設している「地震保険契約会社照会センター」にて、調べてもらうことができます。
地震保険と自治体の違いは?
もし地震が発生したことによって、あなたのお家に損害が出た場合、損害保険の一つである「地震保険」に加入していることで、認定基準を満たすことによって保険金を受け取ることができます。
この損害保険とは別で、あなたの住む地域の自治体から支援金を受け取ることができる可能性もあります。
この2つの違いについて、詳しく見ていきましょう。
地震保険【損害保険】 | 自治体『被災者生活再建支援事業』【公益財団法人 都道府県センター】 | |
---|---|---|
受け取れるもの | 保険金 | 被災者生活再建支援金 |
必要なもの | 保険証券、図面、写真(なくても申請できる場合があります) | 罹災証明書 |
認定基準 | 「地震保険損害認定基準」(日本損害保険協会が制定) | 「災害に係る住家の被害認定基準運用方針」(国の内閣府が制定) |
損害区分 | 「全損・大半損・小半損・一部損」の4区分 | 「全壊・大規模半壊・半壊・半損に至らない」の4区分 |
※「都道府県センター」は、2018年に「都道府県会館」から改称されたばかり。
上記の表を見ていただくとわかるかと思いますが、運営元や申請に必要な物のほかに、損害の認定基準が異なっています。
地震保険の損害認定基準は、日本損害保険協会が定めた「地震保険損害認定基準」というもので、全損・大半損・小半損・一部損の4つに分けられています。
自治体から給付される「被災者生活再建支援金」の認定基準は、内閣府が定めた「災害に係る住家の被害認定基準運用方針」というもので、全壊・大耐規模半壊・半壊・半損に至らない、というようにこちらも4つに分けられています。
どちらも4つの区分で一見似たような基準に思えますが、この2つの基準は全く同じものではないということに注意していただきたいです。
例えば、被災者生活再建支援金では全損と認定されても、地震保険では全損ではなく大半損と認められるという場合も考えられます。
地震保険と被災者生活再建支援金認定では、損害の認定基準が違うということを覚えておきましょう。
地震保険を使って外壁塗装をするための流れ
あなたのお家が地震や津波、噴火などの影響によって損害を受けてしまった場合、地震保険を使って外壁塗装をするにはどうすればいいのか、流れを確認しておきましょう。
地震保険を使って外壁塗装をするために必要なもの
あなたが地震保険の保険金を申請したい時に必要なものは以下のものが挙げられます。
これらは用意できなくても申請できる場合がありますが、基本的には用意しておきましょう。
保険証券
保険証券は、あなたが地震保険の契約を交わしている証なので、保険証券がなければ保険金を受け取るための申請をすることができません。
しかし、万が一保険証券を紛失してしまった場合でも、あなたの身元を証明できれば保険金の申請や保険証券の再発行などの手続きをすることができます。
損害箇所の写真
地震などが起きてあなたのお家が損害を受けていると気づいたら、写真を撮っておくようにしましょう。
地震保険の保険金をもらえるかどうかの診断では、基準の前提として、受けた損害が地震などによるものなのかどうかが重要になります。
そのため、ただ鑑定人に診断をしてもらうよりも、本当に地震などが原因で生じた損害だという証拠として写真に残しておくことで、認定される確率も上がります。
お家の図面
あなたが地震保険の保険金をもらえるかどうかを判断するための診断では、お家の主要構造部である軸組・基礎・外壁・屋根などを、鑑定人が調べていくのですが、お家の図面があることで診断がスムーズになり、より正確に調べてもらうことができます。
地震保険を使って外壁塗装をするときの流れ
あなたが地震保険の保険金をもらうために、地震保険の保険金を申請するときの流れを見てみましょう。
STEP1:必要なものを用意
まずは、申請がスムーズに進むよう、保険証券や損害箇所の写真、お家の図面など、必要なものを用意しておきましょう。
STEP2:保険会社へ連絡
あなたが加入している地震保険の保険会社へ、地震保険の保険金の申請を希望する旨を連絡しましょう。
地震保険は火災保険とセットになっているので、あなたが加入している地震保険の保険会社=あなたが加入している火災保険の保険会社です。
もし、あなたが加入している地震保険・火災保険の保険会社がわからなくなってしまった場合は、「地震保険契約会社照会センター」にて、契約している保険会社の確認ができます。
STEP3:鑑定人に見てもらう
日本損害保険協会の「損害保険登録鑑定人」を初め、保険会社が委託している鑑定会社の鑑定人が、あなたのお家の損害状況を調べに来て、地震保険が適用されるかどうかを診断します。
損害状況を見ながら、あなたにも損害について質問をしてくるので、正しい診断をしてもらえるように、損害状況に関して漏れのないように伝えましょう。
STEP4:保険会社に認定される
あなたのお家を診断した鑑定人が保険会社に申請をして、認定されればあなたは保険金をもらうことができます。
ただ、鑑定人があなたのお家を診断した時点で、保険金がもらえるかどうかがわかる場合が多いです。
STEP5:保険金が支払われる
保険会社に認定されたら、保険金をもらうことができます。
実際に保険金があなたの元に支払われるのは、保険金を請求した日の翌日から30日以内。
生命保険は、保険金を請求してから5営業日以内に保険金が支払われますが、損害保険の支払いが30日以内と長くとられているのはなぜでしょうか。
それは、地震保険の場合、あなたのお家が受けた損害についての調査が必要になってくるため、その手続きも考慮した日数として、30日以内となっているんです。
地震保険を使って外壁塗装をするためには?
あなたが地震保険を使って外壁塗装をしたい時にすべきことは、以下の通りです。
- 地震などの災害が起きた日を把握しておく
- あなたのお家の損害に気づいた日を覚えておく
- あなたのお家が損害を受けた箇所を写真に収めておく
- 保険証券を用意しておき、なければ再発行してもらう
これらを行っておき、あなたが加入している地震保険の保険会社へ連絡をして、鑑定人に損害状況を診断してもらいましょう。
損害を保険会社に認定されることで、保険金をもらうことができて、そのお金で外壁塗装や補修をすることができます。
地震保険の保険金をもらうために大切なのは、あなたのお家が受けた損害が、地震などによるものであると証明することです。
そのため、損害を受けてから早めに保険会社へ連絡することで、正確に損害状況を診断してもらうことができ、適正な金額での保険金の受取りへと繋げることができるので、損害を受けてしまったあなたのお家をしっかり直すためにも、早めに行動するようにしましょう。
また、あなたのお家が地震保険に適用されるかどうかを診断する際、きちんとした鑑定人を選ばなければ、診断結果も適正なものにはなりません。
「適正な診断をしてほしい」「鑑定人の診断を受けたけれどもう一度診断しなおしてほしい」という場合は、無料診断もできますので、「建物へ地震保険適用の無料相談フォーム」よりお気軽にご相談いただければと思います。
最後に…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
地震保険についてまとめてきましたが、分かりづらいところやもっと知りたい情報はありましたか?
どんな小さなことからでもご相談を無料で受け付けているので、お気軽に以下の地震保険に関するご相談フォーム・お電話にてご連絡くださいね。
あなたにとって、地震保険に関する安心・納得の情報になれれば嬉しいです。
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