- | 外壁(29)
お家の外壁を触ると手に粉がつく現象は何なのかを知ることで、お家を健康な状態に保つためのメンテナンスを進めることができます。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
お家の外壁を触ると、手に粉がつくことがありますが、実は、この現象が起きている外壁は、傷みが出てきているサインでもあるんです。
ここでは、
- 外壁を触ると粉がつく原因
- 外壁を触ると粉がつくのを放っておくとどうなるのか
- 外壁を健康にするためにはどうしたらよいのか
- 良い塗装業者さんを選ぶためのポイント
- 外壁に粉が出てくることを防ぐ塗料とは
これらをお話させていただければと思いますので、大切なお家に適切なメンテナンスをするためにも、私と一緒に確認していきましょう。
外壁を触ると粉がつくのはなぜ?
そもそも、外壁を触ると手についてくる粉は一体何なのかというと、塗料に含まれている顔料が、粉になって外壁の表面に出てきているんです。
塗料は、粉上の顔料と合成樹脂に、水やシンナーなどを混ぜて作られているので、一般的なペンキのように液体になっています。
塗料を外壁に塗って乾かすと、塗膜(とまく)と呼ばれる薄い保護膜となり、雨風や紫外線、汚れ、カビやコケなど、劣化の原因となるものからお家を守ってくれます。
しかし、塗料は長い年月が経てば自然と劣化していくもので、紫外線などの影響で塗膜の表面が少しずつ分解されていき、顔料が表面に出てくるため触ると粉が付くようになるんです。
チョークの粉を触ったような状態に似ていることから、この現象は「チョーキング」や「チョーキング現象」、「白亜化(はくあか)現象」などとも呼ばれています。
施工不良の可能性もある?
時間の経過とともに外壁の劣化は避けられないものではありますが、塗装業者の施工不良があることによって、外壁の劣化が早まったり、塗料本来の機能を発揮しないといった場合もあります。
そのため、お家を建ててから、もしくは前回の塗装から数年足らずのうちに、あなたのお家の外壁にチョーキング現象が起きているようであれば、施工不良の可能性も考えられます。
施工不良の例を以下にまとめてみました。
下処理・行程に問題があった場合
- 塗装前の洗浄をしなかった、洗浄が不十分だった
- 洗浄や下塗りの後十分に乾燥させなかった
- ヒビや内側の劣化を処理せずに塗装してしまった
- 下塗りをしなかった
適切なものを使わなかった場合
- 下地や塗料にあった下塗り剤を使わなかった
- 塗料を規定より薄めて使った
- 規定に合った量の塗料を使わなかった
- 塗料が十分に混ぜられていなかった
立地・環境・天気に配慮がなかった場合
- 雨天対応になっていない塗料なのに雨のときに塗装した
- 湿気や日当たり、塩害などの環境に配慮せず適していない塗料を使った
外壁の塗装というと、古い塗装の上に新しい塗料を塗りなおすようなイメージがあるかもしれませんが、塗装前の前準備や、古い塗膜を剥がす下地処理は、塗装の仕上がりだけでなく、塗料の機能がどのくらいの期間発揮できるのか、という部分にも関わってくることがわかります。
外壁を触ると粉がつく状態で放置するとどうなる?
外壁を触って粉がついても、「雨漏りがしているわけじゃないし…。」と思って、あまり気にせずそのままにしてしまうかもしれませんが、ずっと放置してしまうと、外壁はどんどん劣化が進んでしまいます。
どんな劣化が起きるのか、一緒に見ていきましょう。
色あせ | 外壁を触ったとき手に粉がつくようになると、次第に外壁全体が色あせてきます。色あせ方によっては、まだらになってしまうこともあり、見栄えが悪くなってしまいます。 |
---|---|
汚れ | 塗料で出来た塗膜は、汚れの付着から守ってくれる役割も果たしています。しかし、塗膜の機能が失われることで、汚れが付きやすくなり、お家全体の印象も悪くなってしまうことに。 |
カビ・コケ | 外壁塗装の塗膜には、湿気から守る役割も備わっているので、湿気を好むカビやコケの発生も同時に防いでくれます。しかし、劣化が進むことでカビやコケが発生してしまい、黒ずんだ外壁になってしまいます。 |
ひび割れ ・剥がれ | 塗膜が劣化するとひび割れが起きて、剥がれてしまうこともあります。外壁を守っていた塗膜が剥がれることで下地がむき出しになり、無防備な状態となって雨水の侵入も簡単に許してしまいます。 |
外壁の腐植 | 湿気や雨水から守ってくれる塗膜が傷んでくると、水分を含んでしまうようになり、外壁がますます劣化してしまいます。外壁の内部まで進行してしまうと、お家の骨組みまで影響する恐れもあります。 |
雨漏り | 雨漏りは屋根から起きるイメージがあるかもしれませんが、外壁の劣化が進めば、外壁からも雨漏りしてしまう可能性は十分にあります。外壁内部の湿気が溜まり、中にカビが発生したり、外壁材がふやけてしまってお家を守る機能が失われてしまうことも。 |
外壁を健康な状態にするには?
あなたのお家の外壁を触ると粉がつく場合、お住まいのご家族みんなをしっかり守ってくれる外壁にするために、外壁塗装をして健康な状態にする必要があります。
外壁を触ると粉がつく状態は、お家を守っている塗膜の機能が失われてきている証拠なので、塗り替えを行い新しい塗膜を作ってあげることで、健康な状態を取り戻すことができます。
しかし、外壁塗装の作業を実際に行うのは塗装業者さんとなるので、どんな塗装業者さんを選ぶかで、あなたのお家の健康状態にも影響が出てくるんです。
外壁塗装は業者選びが大事?
外壁塗装の工事を行うのは塗装業者さんとなるので、どんな塗装業者さんにお願いするのかという点は、とても大切なところです。
そのため、適正な工事金額であなたのお家に合った工事をしてもらうために、相見積もりをする必要があります。
複数の塗装業者さんを比較してみることで、
- あなたのお家を外壁塗装するときの費用相場がわかる
- 不正な金額の見積もりをする悪徳業者を見極められる
- あなたのお家に必要な工事がわかる
- あなたと相性のいい塗装業者さんを見極められる
このように、工事金額・工事内容・あなたとの相性といった、いろいろな面においてあなたとぴったりな塗装業者さんが見つかりやすくなります。
1社だけに見積もりをお願いして考えてみても、金額が適正かどうか、必要な工事なのかといった判断が難しくなるので、比較対象をつくることは業者選びを成功させるためにも大事なことなんです。
悪徳業者に要注意!
外壁塗装は、悪徳業者が多い業界と言われており、中でも訪問販売を使ってお家にやってくる悪徳業者が多くいます。
悪徳業者ではなくとも、訪問販売を使う塗装業者さんはいますが、訪問販売は突然来るため、あなたに冷静な判断ができない状況となりやすく、悪徳業者がよく使う手口となっています。
無料点検などを装ってあなたのお家に突然やって来て、外壁や屋根の劣化を指摘し、不安をあおって契約を迫ってきます。
適正ではない高額な工事費用を請求してきたり、必要のない工事まで無理やりされてしまうことも。
悪徳業者も、訪問販売で点検をしたときのセールストークとして「チョーキング現象」を使う場合もあるので、訪問で来たり契約を急かしてくる塗装業者とすぐに契約をするのは、オススメではありません。
優良業者さんを選ぶには?
あなたの大切なお家でこれからも安心して過ごすために、優良な塗装業者さんを選んで外壁塗装をしてもらう必要があります。
安心してお家の塗装工事をお願いできて、長年にわたってお家を見てもらえるパートナーを慎重に選んでほしいので、優良業者さんの選び方を、私と一緒に確認していきましょう。
地域に密着した塗装業者さん
お家の工事となると、有名な大手のリフォーム会社を考えるかもしれませんが、大手リフォーム会社は実際の塗装作業を下請け業者に任せていることがほとんどなので、中間マージンという余分な費用が発生してしまいます。
地域密着型の塗装業者さんであれば、自社の職人さんのみで塗装をしてくれるので、本当に必要なところにだけお金を掛けた工事ができるんです。
また、あなたがお住まいの地域で長年塗装業を続けているということは、悪評がなく地域の人たちからの評判がいい証拠とも言えます。
何かあればすぐに駆け付けることもできるので、地域に密着している塗装業者さんに工事をお願いするのがオススメです。
何事も丁寧な塗装業者さん
塗装工事の相談や見積もりをお願いしたときに、丁寧に対応してくれるかどうかも注意してほしいです。
例えば、
- 一部の壁だけでなく、いろいろなカ所や角度から丁寧にチェックをしてくれる
- 問題がある場所や将来不具合の出そうなことなどを分かりやすく説明してくれる
- それぞれの修復や補修にどのくらいの費用がかかるのかを説明してくれる
- 修復したいカ所が多く、希望していた内容の塗装が予算内に収まらないときにも色々提案してくれる
このように、丁寧な対応をしてくれる塗装業者さんは、常にお客様の立場になって考えていて、お客様を大切にしている証拠です。
塗装業者さんにとっては数ある現場のひとつであっても、あなたにとっては大切なお家であることを忘れずに丁寧な対応をしてくれる塗装業者さんを選んでほしいと思います。
お家のことを心からお願いできる塗装業者さん
大切なあなたのお家を工事してもらうので、そこには信頼関係が必要です。
お家の工事は適正価格であっても大きなお金が掛かるものなので、安い工事金額で塗装をしてもらえれば嬉しいことですし、塗装の腕前も良ければもっと良いですよね。
しかし、たとえ多くの実績があっても、言葉遣いや人柄が受け入れられないようであれば、気持ちよく工事をお願いできないですよね。
あなたが人として心から信頼できて、不安なことや心配なことは遠慮なく相談できる塗装業者さんであれば、納得し安心して工事をお願いでき、完成したときの満足感もより感じられるはずです。
また、信頼できる塗装業者さんを見つけておくことで、次回の外壁塗装や、それまでの期間に急なトラブルがあったときも、一度塗装をお願いした業者さんにお任せすることで、最適な工事をしてもらうことができます。
チョーキング現象を防ぐ塗料がある?
外壁に触ると粉がつく状態は、外壁が劣化している証拠なので、塗装工事の時期になりますが、「チョーキング現象」と呼ばれる、粉が手に付く状態を防ぐ機能を持つ「ラジカル系塗料」という種類の塗料があります。
外壁塗装に使われる塗料は、品質を表すグレード(品質レベル)で分けることができ、塗料の持つ機能が発揮できる期間(耐用年数)や、塗料の金額も変わります。
グレード | 単価相場(㎡あたり) | 期待できる耐用年数 |
---|---|---|
アクリル系塗料 | 約1,000~1,200円 | 約2~3年 |
ウレタン系塗料 | 約1,800~2,000円 | 約5~7年 |
シリコン系塗料 | 約2,500~3,500円 | 約7~12年 |
ラジカル系塗料 | 約3,500~4,000円 | 約8~13年 |
フッ素系塗料 | 約3,500~4,500円 | 約10~15年 |
無機系塗料 | 約5,000~5,500円 | 約15~20年 |
ラジカル系塗料は、大手塗料メーカーの日本ペイントさんが2012年に販売を始めた塗料ですが、その後は多くの塗料メーカーからラジカル系塗料が販売され、注目を集めている高耐久の塗料なんです。
ラジカル系塗料で外壁の粉を防ぐ?
外壁を触ると粉がつくチョーキング現象は、紫外線によって外壁の塗膜が劣化することで、塗膜の中の顔料が浮き出て来てしまうこと。
しかし、ラジカル系塗料は紫外線に強いという特徴を持っているので、チョーキング現象を抑えることができます。
そもそもラジカルとは、塗膜に紫外線が当たることで発生する、劣化の元となる成分のことを言い、ラジカル系塗料はこのラジカルの働きを抑えてくれるんです。
そのため、正確には「ラジカル制御系塗料」「ラジカル制御形塗料」となります。
以下は、ラジカル系塗料の一例です。
メーカー | 塗料名 | 機能や特徴 |
---|---|---|
日本ペイント | パーフェクトトップ | 耐候性/低汚染性/防藻・防カビ効果/ 光沢が良いが、落ち着いた印象が良ければツヤを抑えたツヤ消しタイプもある。透湿性に優れ結露が起こりにくい。ラジカル塗料では最初に発売された塗料。 |
エスケー化研 | エスケープレミアムシリコン | 耐候性/低汚染性/防カビ効果/ 薬品やアルカリ性にも強くツヤが強い塗料。 |
関西ペイント | アレス ダイナミックトップ | 耐候性/低汚染/防カビ・防藻効果/ 密着を強くする強化剤という添加剤を入れることで雨の日でも塗装ができる画期的な塗料。 |
アステックペイントジャパン | 超低汚染リファイン1000Si-IR | 耐候性/低汚染性/遮熱性/防カビ機能/ アルカリ性・酸性にも強い。配合された無機成分によってきめが細かい強靭な塗膜ができるので汚れに強い塗料。 |
AGCコーテック | ルミステージ水性エナメル低汚染GT | 高耐候性/低汚染性/防カビ・防藻機能/ 同じ種類の塗料で塗り重ね・補修がしやすい。ツヤなしのマットタイプは「ルミステージマット低汚染防藻GT」がある。 |
最後に…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
外壁を触ると粉がつく現象についてまとめてきましたが、分かりづらいところやもっと知りたい情報はありましたか?
どんな小さなことからでもご相談を無料で受け付けているので、お気軽に以下の外壁塗装に関するご相談フォーム・お電話にてご連絡くださいね。
あなたにとって、外壁を触ると粉がつく現象に関する安心・納得の情報になれれば嬉しいです。
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私たちのような中立の立場である無料サービスを活用いただき、アドバイス・サポートで安心できる外壁塗装をお手伝いできればと思っています。※外壁塗装コンシェルジュとは
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