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今年は記録的な猛暑 外壁塗装はいつも以上に注意が必要

今年は記録的な猛暑 外壁塗装はいつも以上に注意が必要

執筆者 多胡安那(気象予報士・熱中症予防管理者(指導員))
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今年は季節の歩みが早く、春から気温の高い状態が続いています。

東京では4月の夏日(最高気温が25℃以上の日)日数が過去最多となり、関東の内陸部では早くも4月中旬に気温が30℃を超えた所も。

その後も高温傾向は続き、特に東日本と西日本では、5月中から毎日のように半袖に腕を通す日々がやってきました。

6月になってからは、さらに暑さがレベルアップ。

梅雨入りを待たずして真夏日(最高気温が30℃以上の日)になった所もあり、早いうちから熱中症のリスクが高くなっています。

特に屋外で長時間過ごす外壁塗装業者さんにとっては、体に堪える暑さが続いています。

夏も全国的に気温はいつもより高い傾向で、特に東日本と西日本では猛暑日(最高気温が35℃以上の日)が続出。

7月には40℃を超えた所もあり、体温以上の危険な暑さになっている状況です。

今後もしばらく猛暑は続く傾向で、少なくとも9月までは全国的に気温が高めの予想です。

春からの暑さの蓄積もあり、日本全体が気温の高い状態が続いていますので、残暑も厳しくなりそうです。

ただ日常生活を送っているだけでも熱中症になってしまう暑さの中、屋外でかつ、長時間行なう外壁塗装は特に危険な作業です。

屋外での作業が多いことから、天候や時間帯にも左右され、作業服の制限もありますが、十分な対策をしつつ、少しでも熱中症にならない工夫をする必要があります。

熱中症とは

そもそも熱中症とは、暑さにさらされることで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、脱水などの健康障害が起き、体温調節ができなくなる症状のことを言います。

熱中症という症状は明治以前から認識されてはいましたが、近年、発症する人数が増えており、夏場は天気予報でも連日のように注意を呼びかけています。

熱中症の原因は高温多湿

人間は気温が高い場所にいると、上昇した体温を一定に保とうとして汗をかくようになります。

しかし、外気の温度が体温と変わらないほど高くなると、汗をかきすぎて脱水状態に陥ってしまい、めまいなどの症状がではじめます。

中でも熱中症を引き起こす暑さの一番の原因となるのは、強い日差しです。

基本的に屋外での作業となる外壁塗装は直射日光をうける時間も多いため、そのぶん、実際の気温以上に身体は暑さを感じています。

当然、熱中症のリスクも上がることになりますから、より一層の注意が必要です。

また、どんなに暑くても、安全面から外壁塗装の作業服は長袖が基本。

事故や怪我を防ぐために腕まくりなどもできないため、どうしても熱が身体にこもりがちです。

外壁塗装業者の方には、少しでも風通しのよい服装で行なっていただきたいですが、制限のある中で、できる限りの対策が必要となってきます。  

そして、もう一つ、熱中症の危険度を上げているのが「湿度」です。

ただ暑い日よりも湿度が高く蒸し暑い日の方が熱中症になりやすくなるため、外壁塗装作業においても、湿度が高い日はより注意が必要です。

本来、人間は暑くなると汗を出し、その汗が蒸発することで体温を下げています。

たとえば、体重70キロの人は100ミリリットルの汗をかいた場合、そのすべてが皮膚表面で蒸発すれば、体温は約1℃下げることが可能。

つまり、汗をかき、それが蒸発することで、身体の熱を放出することができるわけです。

それが湿度が高い日になると、汗が蒸発されにくくなるため、体温を下げることができなくなります。

そうなると、身体にこもった熱を逃がすことができず、熱中症になるリスクがあがってしまうのです。

晴れている時だけでなく、曇っている日でも気温と湿度が高い日は熱中症の危険日といえます。

体感的にはそれほど暑くなくても、実際は身体に熱がこもりっぱなしになっていることも少なくありません。

日差しが強くない時はつい油断しがちですが、夏場においての外壁塗装の作業は、気温だけでなく、湿度の高さにも注意して対策をする必要があります。

外壁塗装業者が気を付けるべきこと

熱中症になりやすい気象条件

まず、熱中症になりやすい気象条件というのは、

  • ①晴れて気温が高い日
  • ②気温だけでなく、湿度が高い日
  • ③風が弱く、空気の動きが少ない日
  • ④急に暑くなった日

時季でいえば、ちょうど梅雨明け頃から熱中症になる人が増え、救急搬送される人数も急増しています。

時間帯では午後2時から4時にかけてが発症のピークで、死亡者もこの時間帯に最も多くなっています。

作業初日が一番危険

また、職場における熱中症の統計をみると、暑い現場で労働をしている人が熱中症によって死亡する数は、作業を開始して一日目が最多。

つまり、まだ暑さになれていない初日に発症する人が多く、熱中症による死亡者数は最初の3日間で約6割を占めているのです。

外壁塗装の作業も、休み明けなど3日以上連続して作業をしていない時の初日は危険度が高く、注意が必要となります。

作業スケジュールの都合もありますが、気温と湿度が高く風が弱い日や、急に暑くなると予想される日は、外壁作業の時間を短くするなどの調節が必要かもしれません。

また、暑い中での作業は、スタートして最初の3日間程度が特に熱中症になりやすくなるため、こまめな水分補給だけでなく、休憩も定期的にはさみながら作業をすすめる必要があります。

作業プランは太陽の位置に合わせて

そして、晴れる日の外壁塗装作業では、時間帯によって作業する位置を変えることも得策です。

太陽光の輻射熱も熱中症の原因となりますから、屋外での作業はその輻射熱を受けにくくすることが大切になってきます。

太陽は東から昇って西に沈みますので、時間帯によって太陽光の入射方向を想定することが可能です。

たとえば、建築物などの日陰に入るように、午前中は建物の西側、午後は反対に建物の東側で塗装作業ができるようにスケジュールを工夫するのもいいでしょう。

塗装する壁の位置を太陽の動向を見ながら決めていくことで、少しでも輻射熱を避けることが可能になります。

1人ひとりの負担は少なく

また、暑い環境においての作業は、一人当たりの作業負担を減らすことも大切です。

なるべく無理のない姿勢での作業を心がけ、特に暑い時間帯である昼過ぎの塗装作業は、少なめにするように配分を考えます。

外壁塗装業者の方は複数人でかつ、短時間で交代しながら作業を行い、特定の労働者が1時間以上連続して作業に従事しないようにする必要があります。

やむを得ず、暑い環境において長時間の作業に及ぶ際は、そのぶん、休憩時間を多めにするなど、体力回復に努めるようにしたい所です。

水分補給は喉が渇く前から

熱中症予防でもっとも大切なことは、こまめな水分補給・塩分補給をすることです。

特に喉が“渇いてから”ではなく、”渇く前から摂取する”ということが大切なポイントになります。

喉が渇いたと感じる時には、すでに脱水症状になっていることが多く、その時点で熱中症になっていると考えられます。

外壁塗装作業中も近くに水筒やペットボトルを置いて、いつでも、こまめに水分補給ができる状況にしておく必要があります。

また、水分だけの補給を続けていると体液が薄まってしまうので、水分とともに、塩分などのミネラル補給も必須となります。

スポーツ飲料や経口補水液、水に0.1~0.2%の食塩を溶かしたもの(水1ℓに1 ~ 2gの食塩)を飲むのも効果的です。

ランチは梅干し入りおにぎりを

お昼ごはんにぜひオススメしたいのが、梅干し入りのおにぎりです。

梅干しには塩気がありますので、発汗によって失われた塩分を補給することができます。

また、酸っぱさの素であるクエン酸は疲労回復の効果があるといわれ、長時間の作業で疲れた身体には最適です。

さらに暑い日はどうしても食品が傷みやすくなりますが、梅干しには食材の腐敗を遅らせる効果も。

自宅からお弁当にして持ってくる場合にも安心なメニューといえます。

塩分補給と疲労回復、食中毒予防もできる梅干しおにぎりは、暑い季節の良き相棒になってくれると思います。

作業服は白系でゆったりしたものを

衣服についても、少しの工夫をすることで熱中症の発症を予防することができます。

外壁塗装の作業服は基本的に長袖となりますが、色味で輻射熱を受けにくくすることは可能です。

作業服の色味は、日光の輻射を反射して温まりにくい「白系」を選び、逆に輻射をうけて暑くなりやすい黒系は避けるようにします。

また、デザインは締め付けが少ないものを選び、なるべく風通しのいいスタイルを心がけたい所です。

最近では、電動ファンや排気弁がついた換気性のすぐれた作業服もあり、通気性をもたせているヘルメットもあるため、それらを取り入れることで多少なりとも暑さをしのぐことが期待できます。

熱中症の症状とは

熱中症の初期症状は、手足がしびれや立ちくらみ、めまいなどが挙げられますが、これらは脳の血流が瞬間的に不十分になったことで起きやすくなります。

ほかにも発汗に伴うナトリウム(塩分)の欠乏により、筋肉のこむら返りが起きたり、手足のしびれを感じることもあります。

さらに状況が悪化してくると、頭痛や吐き気、嘔吐、下痢、倦怠感などが起きるようになり、身体がぐったりし、力が入らないような状況になることも。

さらに重症化してくると、意識障害やけいれん、まっすぐ歩けないなどの手足の運動障害が起き、身体に触ると熱いといった症状がではじめます。

最悪のケースになると、肝障害や腎障害も併発し、死にいたることもあります。

熱中症になってしまったら 「クールファースト」

対策をしていても熱中症になってしまった場合は、なによりも涼しい環境へ移動することが先決となります。

直射日光を浴びない風通しのよい日陰や、クーラーの効いた室内など、体温がこれ以上あがらない環境に身を置くことが大切です。

次にするべきことは、脱衣と冷却です。

熱中症になった場合は、着ている衣服を脱がせて、なるべく早く身体から熱を放出させるようにします。

特にきついベルトや下着はゆるめ、風を通しやすい状況にするようにしましょう。

そして、皮膚には濡らしたタオルやハンカチをあてたり、うちわや扇風機であおぐなどして身体を冷やすようにします。

衣服の上から直接冷した水をかけるのも効果的です。

特に、首の付け根や脇の下、太腿の付け根など、皮膚直下を流れている血液を冷やすことで、効果的に身体をひやすことができます。

体温の冷却はなるべく早くする必要がありますので、自動販売機の冷たいドリンクや氷を袋にいれたものなど、手に入りやすいもので冷やすようにします。

水分補給はミネラル補給も一緒に

そして、水分と塩分の補給も必須となります。

冷たい水を飲むと胃の表面から体の熱を解消し、同時に脱水症状も改善することができます。

大量の汗をかいた場合は、水分とともにミネラルも流れてしまっているため、塩分の補給もしっかりする必要があります。

自力で水を飲めなくなったら病院へ

もし、すでに意識がおかしく、自分で水分をとれない状況や、応急処置をしても一向に改善が見られない場合は、病院へ搬送する段階に達しています。

自力で水分補給ができない状況になると点滴での補給をする必要があるため、医療機関の診断が必要になってきます。

外壁塗装作業中に熱中症になってしまった場合は、まずはクーラーの効いた室内に移動し、涼しい環境に身を置くようにします。

そして、作業服を緩め、水分や塩分の補給をするようにしましょう。

環境省・熱中症環境保健マニュアル2018より引用

    

まとめ

熱中症も命にかかわる気象災害

大雨や強風と違って、暑さに関する警報や注意報はありません。 (高温注意情報という気象情報はあります)。

ですが、暑さや熱中症も気象災害の1つです。

体温を超えるような危険な暑さになる日もありますし、熱中症によって命を落とすということも決して少なくはないのです。

高温傾向が続く近年の夏は、熱中症で救急搬送される人数が多くなっています。

今年のように35℃以上の猛暑日が何日も続いたり、40℃を超えるような日があるなど、危険なレベルの暑さにまで気温が上昇しています。

しかも、夏が来る前から季節先取りの暑さになる日が増えてくると、熱中症は夏だけの注意事項ではなくなってきます。

つまり、熱中症に注意しなければならない時期は、昔よりも多くなっているということ。

また、熱帯夜の日数も増えていて、暑いのは昼間だけではなくなってきました。

猛暑日や熱帯夜が当たり前になってしまったこの時代。

地球温暖化も深刻化していく中で、さらに気温は高くなることが予想されます。

外壁作業中の熱中症リスクを少しでも下げるべく、これからはより一層、暑さをしのげる工夫が必要になっていきそうです。

執筆者 多胡安那(気象予報士・熱中症予防管理者(指導員))
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