外壁塗装では、ケレンと呼ばれる塗装前に行われる重要な工程があります。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
外壁塗装には様々な工程がありますが、ケレンはその中でも非常に大事な工程の一つです。
ケレンを丁寧に行えるか行えないかで、外壁塗装の仕上がりに差が生まれますので、外壁塗装に失敗をしたくない場合は、ケレンをしっかり行ってくれる業者選びが必要になります。
ケレンって何?
ケレン作業とは、簡単に言うと「塗装工事を行う外壁のカビや汚れをあらかじめ落とす作業」のことです。
つまり、塗装を行う前の下処理作業にあたります。
塗装工事をする、特に年数が経過している外壁というのは、目で見えない部分にも多くの汚れが蓄積されている可能性が高いです。
雨風に打たれて弱った外壁を美しく生まれ変わらせるためにもとても重要な作業になります。
ケレン作業の必要性は?
「ケレン作業が何をするかはわかったけど、必要性はあるの?」といった疑問があるかもしれません。
そこで、ケレン作業の効果や役割をご紹介いたします。
古くなった塗膜を落とす
まず、ケレン作業の始めの作業は、外壁の古い塗膜を落とすことです。
外壁には、基本的に大なり小なり古くなった塗膜が付着しています。
古い塗膜の上から新しい塗料を塗っても、下にある古い塗膜が剥がれてしまうと新しい塗料も一緒に剥がれてくる可能性が高いです。
それを防ぐために、まずはケレン作業で古い塗膜を落としていきます。
付着したサビや汚れを綺麗に落とす
ケレン作業にはサビや汚れを落とす効果があります。
鉄筋構造の物件には雨水によるサビが多く付着しており、同時に汚れも数多く付着しているはずです。
その上から塗料を塗っても、古い塗膜同様、外壁との密着性が損なわれることになるでしょう。
塗装の仕上がりを美しくするために
汚れやサビ、古い塗膜が付着した状態では外壁の表面に凹凸があり、新たに塗料を塗っても全体的にデコボコした仕上がりになることが多いです。
木造住宅の場合サビはありませんが、古くなった木材も表面がデコボコになりやすいので綺麗に磨きます。
こういった塗装の仕上がりを妨げる要因をすべて取り除くことで、外壁はより美しく、より長持ちしやすい状態にすることが可能です。
美しい塗装をするうえで、ケレン作業は欠かせない工程になります。
ケレンの種類
ケレンの効果や必要性をご紹介しましたが、実はケレン作業はいくつかの種類に分けられます。
こちらも順番にそれぞれの用途と特性を見ていきましょう。
1種ケレン作業
外壁の腐食や汚れがかなりひどい場合にのみ行われ、一般住宅ではほぼ使用されないケレン作業です。
ブラスト工法と呼ばれる化学処理を行い、外壁に付着した汚れや古い塗膜を落ちやすくします。
専用の機械を使用するため、騒音や粉塵の問題があり、一般住宅街で1種ケレンが必要な状態の場合は、外壁すべてを取り換えるのが一般的です。
2種ケレン作業
外壁のサビや汚れがひどい場合に行われるケレン作業です。
一般住宅でも行うことが時々あり、塗装の妨げになる汚れやサビ、古い塗膜を落としやすくします。
作業の際には専用の機械を使用することが多いです。
3種ケレン作業
もっとも一般的なケレン作業にあたるのが、この3種ケレン作業です。
外壁に所々サビや汚れ、古い塗膜が確認できる状態の時に行います。
基本的に手作業用の電動ブラシ等を使いながら行うケレン作業です。
4種ケレン作業
汚れやサビがほとんどない状態の外壁には、4種ケレン作業を行います。
ちょっとしたデコボコを紙ヤスリで磨く程度の簡単な作業です。
ケレンに必要な道具って?
ケレン作業は道具を使って行われます。
先に説明した通り、ケレン作業の種類によって、手工具と動力工具が使い分けられるのです。
ここでは、ケレン作業によく使われる道具をいくつか解説します。
1. スクレーパー(カワスキ)
ケレン作業に欠かせない専用の金属ベラで、物にもよりますが、フライ返しのような形をしているのが一般的です。
刃の部分を落としたい塗面や汚れの部分に当て、削ぎ落とすようにして使います。
細かく動かせて狭い場所にも使えるので、主に3種ケレン作業に用いられる道具です。
2. ケレンハンマー
ケレン作業時に、金属面の塗装やサビを落とすために使われるハンマーです。
主に、お馴染みの手工具タイプと動力工具タイプの2種類があります。
3. ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシは、塗装の現場以外に、日常的にも使うことがある、大きな歯ブラシのような形をしている道具です。
塗装はもちろん、汚れ、サビなどを落とすことができます。
手工具なので細かな部分の処理や狭い場所で使いやすい反面、ブラシ部分が金属でできているため、外壁を傷つける恐れがあるので気をつけましょう。
4. サンドペーパー(研磨紙)
4種ケレン作業で使われることが多いサンドペーパーは、建築や塗装の現場以外に、DIYするときなどに使う紙やすりのことです。
目の粗さに種類があるので、用途によって使い分けることができます。
サビを落とす場合には粗いものを、汚れには細かいものを使用するとよいでしょう。
5. ディスクサンダー
ディスクグラインダーとも呼ばれる道具で、その名前の通り、ディスク(円盤)部分でサンドする(研磨する)電動工具です。
メーカーごとに様々なサンダーが発売されていますが、砥石タイプやナイロンタイプなど、ディスク部分を取り替えることで、色々な使い方ができます。
6. ブリストルブラスター
比較的新しい、ブラシが付いた電動工具です。
ハンディでありながら強力で、1種ケレンで使用されるブラストと同等の下地処理ができると言われています。
ブラストよりも扱いやすいですが、ブラシの幅が狭く、広い範囲の塗面やサビに対する作業に時間がかかりやすいため、用途を選んで使われることが多いです。
7. ウォータージェット
ウォータージェットはケレン作業だけではなく、洗浄にも使われる道具です。
高圧で水や温水を塗面に吹きかけ、塗膜を破壊します。
水や温水を吹きかけるだけなので、騒音や振動、粉塵などが出にくく、外壁が割れる心配が基本的にありません。
しかし、大量の排水が出るため、その処理が必要になります。
ケレン作業に掛かる費用相場は?
ケレンも立派な外壁塗装の工程の一部ですので、作業費用が掛かります。
実際にはケレン作業にどのくらい料金が掛かるのかを見ていきましょう。
種類によってケレン作業の費用は変わる
1~4種まであるケレン作業は、当然ながらどの種類の作業を行うかで費用が変わります。
それぞれの作業に掛かる費用は以下の通りです。
作業内容 | 費用 |
---|---|
1種ケレン作業 | 外壁の取り換えなどになるため相場はその都度変わります |
2種ケレン作業 | 1,400円~2,200円 |
3種ケレン作業 | 500円~1,200円 |
4種ケレン作業 | 200円~500円 |
1種に関しては、ほとんどの場合に外壁取り換えとなるため費用相場はまちまちです。
2~3種に関しては全体を通して500円~2,000円が相場となります。
ケレン作業の必要性や種類、費用相場についてご紹介しました。
美しく、長持ちする外壁に仕上げるためにもケレン作業は大切です。
外壁塗装の際には必ずケレン作業も一緒に行うことをおすすめします。
基本的に住宅の外壁塗装は、3種または4種ケレンしか行いません。
2種以上のケレン作業が必要な劣化症状は、鉄骨のビルや橋などの工事で起こります。
業者の見積書ではケレン作業の有無をチェックしよう
残念なことに、世の中には手抜き工事をしようとする業者がいます。
もし、業者が作った見積もり書の工事内容にケレン作業が入っていない場合は、注意してください。
見積書に書かれていない場合は、必ず口頭でケレン作業の有無を確認してみましょう。
この時、返事が曖昧だったり、必要ないと言ったりするようなことがあれば、その業者には依頼するのをやめるほうが得策です。
そういった業者に捕まらないように、他の業者からも見積もりを取ったり(相見積もり)、塗装に関する資格を持っている業者をリサーチしたりしてから、依頼するとよいでしょう。
見積もりをチェックする時は、何種のケレン作業をして、いくら費用がかかるのかまでチェックしてみてください。
もしかすると、法外な金額を見積もっている可能性があります。
先ほどご紹介したケレン作業の費用相場を参考にしてみてください。
最後に…
外壁塗装についてまとめて書いてきましたが、分かりづらいところはありましたでしょうか?不明点等あれば以下の外壁塗装の無料相談フォームまたはお電話で気軽に私たちへご相談くださいね。
あなたにとって安心・納得の情報になれば嬉しいです。
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失敗しない塗装をしてもらうにはどうしたら…
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