雨漏りは外壁の防水効果が失われ事が原因です。雨漏りの原因と防水性を高めるための方法・費用を確認できます。
外壁塗装コンシェルジュ 防水工事のアドバイザー
雨漏りが発生していると、屋根が原因だと思われがちですが、実は外壁の防水性が無くなっている事が原因の場合も。
「え、雨漏りの原因って屋根じゃないの?」と思いますよね。
塗装業者さんによっては、「外壁からなんて雨漏りしないよ」と言う業者さんもいますが、外壁にヒビ割れが発生し、そのヒビが浅くても深くても、雨水が通れる道ができてしまえば、雨水がお家の中に侵入してくるのは確実。
これは、雨が少ない・多い関係なく、雨が降る地域では外壁に対して防水性を保てる状態が必要なんです。
防水性はお家にとって、非常に重要なことであり、大事だからこそ防水性が無くなる原因と、防水性を高めるための塗装工事の方法・費用について、私と一緒に見て頂けると嬉しいです。
- 目次
- 外壁の防水性って何?
- 外壁の防水性を高めるには何の工事が必要?
- 防水を高める外壁塗装の金額はいくら?
- 防水が必要な地域ってあるの?
- 外壁の防水塗装は雨漏りを防ぐ
- 外壁の防水塗装ができる弾性塗料とは?
- 防水性を高めるのは、次の外壁塗装の時期まで、状態を保たせるため!
- 最後に…。
外壁の防水性って何?

外壁の防水性とは、雨水を弾き、建物内に雨水の侵入を防ぐ機能のこと。
外壁に塗られている塗装工事用の塗料には、雨水を弾く効果が含まれているのですが、この効果が無くなると、雨水がどんどん侵入してきます。
▼ 防水の効果が無くなっている状態
- 築10年以上(最初に塗られている塗料によって年数目安は変わる)
- 外壁にヒビ割れが多くなってきた
- 外壁を手で触ると粉状の粉末が手につく(チョーキング現象)
- 塗装が剥がれて下地がむき出し
そして、防水性が無い状態をずっと続けてしまうと、以下のようなトラブルが発生する可能性もあります。
▼ 防水の効果が無くなってしまうと発生するトラブル
- 雨漏り(放置すると高額リフォーム)
- シロアリの侵入&建物内部の空洞化
- カビやダニの発生で空気汚染(シックハウス症候群)
防水性が無くなると、様々なトラブルを発生させるため、外壁の防水性が大事だということを覚えてもらいたいです。
防水の効果が無くなるって、どういうこと?
防水の効果が無くなるとは、どういう意味なのか分かりませんよね。
そもそも、なぜ防水の効果が無くなってしまうか、この原因を知る事がとっても大事なんです。
あなたに最初に覚えてもらいたい事。
それは、外壁に塗られている塗料は、1度塗れば一生状態を保てるものではなく、塗り替えが数十年ごとに必要なものだということ。

この図が表しているのは、年月が経てば経つほど、外壁に塗られた塗装が剥がれてくるという事実です。
外壁にはもともと、防水性を高める塗料が塗られて、この塗料が乾燥してできた塗装の膜(塗膜:とまく)が3層あることで、防水性が保たれています。
しかし、紫外線・雨水・チリやホコリなどを年中受け続け、それが塗装の劣化を促進するため、どんどん塗装が削られ剥がれていく。※ 塗装自体、たった数ミリの厚みしかありません。
防水の効果が無くなるとは、塗装が「剥がれる」「削られる」以外にも、ヒビが入ったり、チョーキングと呼ばれる塗料の中に含まれる顔料が、状態を保てなくなり表に出てきてしまう状態を指します。
防水性とは、塗料の耐用年数のこと
防水性が高い状態とは、塗膜が良好なこと。
防水性が低い状態とは、塗膜が劣化していること。
このように表わすことができますが、塗装業界で使われている、こんな言葉にも言い直すことができます。
それが耐用年数(耐久性)という言葉。
耐用年数とは、効果が期待できる年数のことを表しており、防水性が保てる期間とほぼ同じ意味です。
外壁に塗られている塗料には、グレード(品質)が存在しており、使われる塗料によって防水性が保てる期間が違ってくるので、まずは以下の表を見てもらいたいです。
塗料の系統 | 防水性が保てる期間(耐用年数) |
---|---|
アクリル系塗料 | 4~7年 |
ウレタン系塗料 | 6~10年 |
シリコン系塗料 | 8~15年 |
フッ素系塗料 | 15~20年 |
無機系塗料 | 15~20年 |
いかがですか?塗料の系統によって、効果が保てる期間が違ってくるんです。
今あなたが暮らしているお家、最初に塗られた塗料がアクリル系やウレタン系だった場合、築10年前にはもう効果が切れてしまう…。
これは、塗り直しを考える時期となります。
フッ素系や無機系など、耐用年数が長い塗料が使われていた場合は、築10年ごろでもまだ状態を保てていると思うので、急がないでも大丈夫。
最初に外壁へ塗られている塗料の種類によって、防水性が保てる期間が違うので、お家を購入された際の情報を確認してみるといいかもしれません。
もし、それぞれの塗料について知識を深めたい場合は、「外壁塗装の塗料の種類」を見て頂くのがオススメです。
外壁の防水性を高めるには何の工事が必要?
外壁の防水性を高めるには、外壁を新しく塗料で塗り直す必要があります。
新しく塗料を塗る工事を別名、外壁塗装(塗替え)と言うのですが、頻繁に行う工事ではないので、どんな工事か分からないですよね。
あなたと同じように、多くの方が、外壁塗装を数十年に1度行っていますが、常日頃から外壁塗装について調べ続けている方はいないため、みんなが初めての状態。
そういった状況もあって、塗装工事の業者さんと外壁塗装を依頼するお施主さんの間には、埋めれないほど大きな知識量の差が存在しており、この差を利用して騙そうとしてくる業者も中にはいます。
悪徳業者と呼ばれる業者は、塗料をメーカーが指定している以上に薄めたり、3回塗りを2回塗りに変えたり不正を行う。
プロが見てもなかなか見分けが付きづらいことから、不正がもっともが多い工事だと言われているんです…。
防水性を高める工事をしてもらえるよう、次は外壁塗装の基本ルールをあなたに知って頂きたいと思います。
防水性を高める外壁塗装はどんな工程で行われる?
防水性を高める外壁塗装へするためには、塗装工事の基本をしっかりと守り、ルール通りに進める必要があります。
「塗装工事のルール?難しいのかな…。」と不安になるかもしれませんが、難しいことはなく、全体的な流れを知って頂くだけでも大丈夫なので、安心してくださいね。
まずは、防水性を高める外壁塗装工事の流れを知ってもらえると嬉しいです。
順番 | 工程 | 期間 | 詳細 |
---|---|---|---|
STEP01 | 近隣挨拶・塗装準備 | 1日 | 塗装工事では臭いや音の発生があるため、必ず近隣に挨拶回りを業者さんが行います。行わないとトラブルの原因に。 |
STEP02 | 足場設置 | 0.5~1日 | 足場を組み立てて、塗装をするための準備を行います。鉄パイプを組み合わせるので、金属音がします。 |
STEP03 | 塗装前の洗浄 | 1~3日 | 通常であれば1日もかかりませんが、気温によって洗浄した部分が乾いていなければ、十分に乾燥させる必要もあるため、場合によっては時間がかかることも。 |
STEP04 | 下地処理 | 0.5~1日 | 外壁に発生しているヒビなど細かい補修を行い、塗装面をキレイにしていきます。 |
STEP05 | 塗装前の養生 | 0.5~1日 | 養生(ようじょう)とは、塗料がついてはいけない部分に対して、保護シートやカバーをかけること。窓など外壁に面している部分だけでなく、車や植木なども保護したりします。 |
STEP06 | 下塗り | 0.5~1日 | 下塗りと呼ばれる、外壁面と仕上げ用の塗料を密着させるための、下地になります。下地の塗装が、いかに丁寧にできるかで、防水性の強度も変わってきます。 |
STEP07 | 中塗り | 0.5~1日 | 中塗りとは、防水性の強度を高めるための1度目の塗装です。 |
STEP08 | 上塗り | 0.5~1日 | 上塗りとは、防水性の強度を高めるための仕上げ用の塗装です。 |
STEP09 | 点検・手直し | 0.5~1日 | 塗装業者さんと一緒に点検して回って、本当に完了したのかチェックします。もし、不備があればこの時点で直してもらいます。 |
STEP10 | 足場解体・片付け | 0.5~1日 | 最終的なチェックが済み塗装が完成したら、足場を解体して、出たゴミなどを片して完了です。 |
外壁塗装をしっかり丁寧に行う場合は、1~2週間の時間が必要となります。
「こんなに時間がかかるの?」と思われたかもしれませんが、外壁塗装では洗浄や塗料を塗った後に乾燥する時間が必要となり、気温によって乾燥時間が変わってくるんです。
気温が温かければ半日くらいで乾きますが、気温が低ければ1日かかる場合も。
また、外壁塗装は雨が天敵なので、雨が降った時は塗装はできない、乾かしてから塗り重ねる。
このように色々時間がかかるのが、外壁塗装なんです。
防水性をしっかり高めるためにも、基本のルールを守ってくれる、優良な塗装業者さんを選びましょう。
防水を高める外壁塗装の金額はいくら?
防水性がなぜ外壁にとって必要なのか、さらに防水性を高めるための外壁塗装の流れを見てもらいましたが、ここまでの工事を行うのであれば、金額がどのくらいになるのか気になりますよね。
お家の防水性を高めるために行う、外壁塗装の金額を見ていきたいと思います。
塗装箇所 | 金額目安(約30坪のお家で計算) |
---|---|
外壁のみ | 60~90万円 |
外壁・屋根 | 60~120万円 |
外壁のみであれば100万円を超えないくらいですが、屋根も含めると100万円は超えてきます。
また、60~と金額に幅がある理由としては、使用する塗料のグレード(品質)によって、防水性を保てる期間が変わってくるから。
グレードの高い塗料、例えばフッ素系や無機系の塗料を使えば、15年前後までは効果を維持できるので、その分お金も高いです。
少しグレードを落として、一般的なシリコンなどを選ぶと、10年前後で塗り替えが必要となりますが、お金も比較的安く済みます。
選ぶ塗料によって防水性も変わる為、これが金額の違いが出てくる理由。
外壁塗装をするのに、もっと金額の情報が欲しい場合は、状況によって異なる様々な金額目安が書いてある、下記ページも見て頂くのがオススメですよ。
防水が必要な地域ってあるの?
雨が降る地域であれば、外壁の防水効果を高める必要があるのですが、その中でも特に防水への意識が必要な地域があります。
下記は、雨の多さを示す表なので、あなたの地域が含まれるか確認してみませんか?
雨が特に多い地域では、防水への意識を高めないといけません。
地域 | 年間降水量 | 年間降水量ランキング |
---|---|---|
高知県 | 3,659mm | 1位 |
鹿児島県 | 2,834mm | 2位 |
宮崎県 | 2,732mm | 3位 |
石川県 | 2,635mm | 4位 |
沖縄県 | 2,585mm | 5位 |
富山県 | 2,535mm | 6位 |
徳島県 | 2,534mm | 7位 |
福井県 | 2,464mm | 8位 |
静岡県 | 2,374mm | 9位 |
佐賀県 | 2,253mm | 10位 |
全国平均 | 1,757mm | – |
※【出典】都道府県格付研究所:年間降水量 2014年版 |
このように、雨が特に多い県は高知県になっています。
しかし、全国的に見ると平均1,757mm雨が降っているので、どの地域でも防水を高める外壁塗装が必要と言えるかもしれませんね。
1,757mmではあまりイメージが付かないと思うのですが、10~20mmでやや強めな雨となるため、都道府県格付研究所さんが出してくれている年間降水日(雨が降った日数)を元にイメージしやすい計算をしてみます。
- 全国降水量の平均:1,757mm
- 全国降水日の平均:120日
1757 ÷ 120 = 14.6(やや強めの雨に該当する)
平均的に見ると、どの地域もやや強めの雨が120日も降っていることになるため、どの地域・建物でも、雨漏りを対策し、建物の防水性を高める必要があると言える結果となりました。
また、近年は台風の影響も強くなってきており、さらに防水性への意識が必要です。
外壁の防水塗装は雨漏りを防ぐ
外壁にヒビがあると、雨漏りする恐れがありますが、どんなヒビであっても雨漏りが発生するわけではありません。
では、どんな外壁の状態であると雨漏りが発生するのか詳しく見てみましょう。
どんな外壁の状態が雨漏りを引き起こす?
外壁がどんな状態の場合に雨漏りが起こるのか。
その答えは、ヒビ割れがある状態です。
ヒビ割れと言っても軽度から重度のヒビ割れまで存在していますので、まずはヒビ割れの種類を以下の表を私と一緒に確認してほしいです。
ヒビ割れ名 | 危険度 | 内容 |
---|---|---|
ヘアークラック | 軽度 | 文字通り、髪の毛くらいの厚さのヒビ割れになります。外壁塗装をすると塗膜が形成されますが、この塗膜に対してヒビ割れが起きている状態なので、軽度のヒビ割れになります。 |
乾燥クラック | 軽度 | モルタルによって外壁が塗られている場合、乾燥によって水分の蒸発が起こり収縮する特徴があるため、ヒビ割れが起こりやすいです。この状態のまま外壁塗装をすると塗膜にヒビ割れができやすくなります。 |
構造クラック | 重度 | 建物自体の構造的な欠陥や凍害など、建物の構造自体に歪みが起きて起こるヒビ割れです。このままの状態だと雨水などがとても入ってきやすいため、建物の腐食が進んでしまいます。 |
危険度が軽度のヘアークラックや乾燥クラックであったとしても、雨漏りの原因になる目安であるヒビの大きさ(幅)が1mm以上ある場合は、雨漏りの発生が起きやすくなります。
この1mm以上というのは、ちょうど名刺がすっぽりと入るくらいの幅で、雨漏りになる可能性があります。
しかし、1mm以上のヒビであっても、雨漏りに直結するわけではありません。外壁の内側には、通常は防水シートが入っていて、ヒビから水が外壁の中に入ったとしても、防水シートによって家の中まで入ってくることはありません。
外壁のヒビを放置することが危険
ヒビを長期間放置すると、防水シートが雨水にさらされ続け、いずれは腐食によって破けて、家の中に水が浸入する恐れがあります。そうならないためにも、外壁に1mm以上のヒビを見つけたら補修を検討しましょう。
その際、単純にコーキングでヒビを埋めるだけでは、ヒビを抑える効果も低く見栄えも悪くなってしまいます。そこで、ヒビの部分をカットし、1cmほど開いてからコーキングを詰めます。手間はかかりますが、見た目の仕上がり、ヒビを抑える効果を考えれば非常に重要なポイントです。
キレイなコーキングにするには? キレイなコーキングにするには、優良業者にしてもらうのが一番確実です。詰めるだけは誰でもできますが、コーキングの詰め方・量に関しては、やはり業者の方が知識を持っているのでキレイに仕上げてくれます。
ヒビ割れの補修費用相場
ヒビ割れはあなた自身でも補修作業できますが、ヒビ割れの度合いや詳細な症状の判断には、やはり専門家の力を借りないと確認できません。
あなた自身・専門家でヒビ割れの補修を行った場合の費用相場が以下になります。
あなた自身で補修 | 4千円〜1万円前後※ホームセンターなどで道具を揃える費用 |
---|---|
塗装業者に依頼して補修 | 60万〜100円前後(約30坪2階立て) |
自分でやれば確かに安いけど… 安さだけを考えるのであればあなた自身でするのが一番安くできます。しかし、見栄えやヒビ割れ症状の危険度の診断などを考えると、やはり優良業者にやってもらうのが一番です。また、雨漏りがすでに発生している場合は、知識が無い人がやってしまうと直らなくなってしまうこともあるので、確実に直してくれる優良業者に頼む方がいいでしょう。
ヒビ割れが起きやすい外壁は?
そもそも、外壁の種類によってヒビの発生頻度は異なります。たとえば、最近の住宅でよく使われるサイディング外壁は、ほとんどヒビが発生しません。しかしモルタル外壁は、ヒビが発生しやすい傾向があります。※窯業サイディングの場合、「凍害」といった症状が発生し、割れることがあるので注意が必要です。
ヒビ割れが起きやすいモルタル外壁
モルタルとは、セメントと砂を混ぜ合わせたもので、戦後から外壁材として使用されてきました。しかし、乾燥などによってヒビが発生しやすいというデメリットがあり、モルタルの性質であるため仕方のない部分です。
そして、ヒビから雨漏りが発生する理由の多くはモルタル外壁によるもの。
家の外壁は太陽の日差しや雨風にさらされ、劣化を免れることができませんが、外壁塗装の劣化が進めば、建物に雨漏りの原因となるヒビ割れが起きやすくなります。
モルタル外壁には弾性塗料で防水塗装
モルタル外壁の防水塗装には「弾性塗料」が使われます。この弾性塗料は、伸び縮みする性質があり、ヒビが発生したとしても弾性のおかげで割れずにヒビが入らない特徴があります。
それでは、次に弾性塗料について詳しく見てみましょう。
外壁の防水塗装ができる弾性塗料とは?
外壁のヒビ割れは、弾性塗料を使用して補修します。弾性塗料とは、塗膜の厚さが通常の塗料の10倍あり、ゴムのように伸びる性質がある素材です。
万が一、外壁の下地にヒビが入っても、弾性塗料の伸縮性によって、細かなヒビであれば表面に出ることはありません。弾性塗料は、主にモルタルやコンクリートのような、ヒビの入りやすい外壁の防水塗装に使用されます。
弾性塗料の効果がある外壁材
弾性塗料はゴムの性質がある特殊な塗料になりますが、塗装しても効果が出る出ない外壁材が存在しています。
外壁材 | 効果 |
---|---|
モルタル | ○ |
コンクリート | ○ |
ALCボード | △ |
サイディング | × |
○:効果あり △:あまり効果なし ×:効果なし |
サイディングに弾性塗料は合わないの?
弾性塗料は、主にモルタル外壁のヒビ割れ補修に使用されます。モルタル外壁は、乾燥収縮によってヒビ割れが起こりやすいため、弾性塗料を使うと小さなヒビを表に出さないといった効果があります。
しかし近年では、モルタル外壁は地震などにも弱いため、サイディングボードなどのほかの外壁材を使うことが増えています。
中でもサイディングは、多くの新築の建物に採用されている素材です。モルタル外壁に比べて丈夫なので、ヒビが入ることはほとんどありませんが、経年劣化により補修が必要になります。補修方法には、サイディングボードを張り替えと塗装する方法があります。
サイディングボードに上から塗装する場合は注意が必要です。サイディングボードの補修には、一般的に弾性塗料は使用しないのですが、なぜ防水性や耐久性に優れている弾性塗料を使用しないのでしょうか?
その理由は大きく2つあります。
1.熱がこもりやすく、膨れの原因になる
サイディングボードには断熱材などが入っているため、日差しがきつくなる夏場には表面温度が80度近くになることがあります。この熱によって弾性塗料の塗膜がぷっくりと膨らんでくることがあり、見た目が悪いため弾性塗料の使用を避けます。
2.サイディングの割れには、弾性塗料では対応できない
弾性塗料では、サイディングの劣化の動きに対応できません。特にシーリング部分は、劣化が目立ち、ヒビ割れてしまうと弾性塗料まで劣化して膨らんでしまうのです。
このような理由から、サイディングの補修には弾性塗料は使用しません。
弾性塗料と一般の塗料の違いは?
弾性塗料と一般的な塗料の最大の違いは、塗料の伸び率が高いか低いかになります。一般の塗料と弾性塗料の違いを表にしました。
塗料の種類 | 特徴 |
---|---|
硬質塗料 | 一般的に使われる塗料。 |
微弾性塗料 | 硬質塗料と微弾性塗料の間の特性を持つ塗料です。伸び率は約50%~100% |
弾性塗料 | 伸び率が120%以上の塗料 |
弾性機能がある塗料はどんなものがある?
弾性機能がある塗料は各メーカーで出されています。
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日本ペイント | DANシリコンセラ |
関西ペイント | シリコンテックス |
SK化研 | セラミクリーン |
アステックペイント | ピュアアクリル塗料のEC-100PCM・EC-5000PCM・EC-5000PCM-IR |
弾性塗料の2つの性質
塗料の性質 | 特徴 |
---|---|
水性塗料 | 臭いがほとんどしない |
油性塗料 | 耐久性に優れ、雨水にも強い |
弾性塗料は、上記のように2種類に分けることができます。外壁の補修には、防水性や耐久性を考えると油性塗料がオススメです。
油性塗料にも、そのまま使用できる1液型と硬化剤と混ぜて使用する2液型があります。ほとんどの弾性塗料が2液型で、1液型に比べて価格が高い傾向がありますが、耐久性や密着性・仕上がりは優れています。
また、弾性塗料を使用する場合、複層弾性工法、単層弾性工法、微弾性工法の3つの工法があります。
弾性塗料の塗装工法
1.複層弾性工法
下塗り(シーラー)、高弾性中塗り2回、上塗り2回の計5回の工程を行います。
塗り重ねることで塗膜が厚くなり、防水性が高くなります。また弾力性があるため、約8~10年ほど効果が持続します。
2.単層弾性工法
下塗り(シーラー)、上塗り2回の3工程で行う工法です。
ヒビ割れの発生を抑えることができますが、複層弾性工法に比べると弾力性・防水性は劣ります。
3.微弾性工法
下塗り(微弾性フィラー)、上塗り2回の3工程で仕上げます。
下塗りに使われる「微弾性フィラー」は厚みがあるため、下地の細かいヒビ割れ程度であれば埋めることも可能です。しかし、密着性はシーラーに比べて悪く、耐久性も複層弾性工法に比べると低い傾向にあります。
3つの工法のうち、最も優れた工法は「複層弾性工法」ですが、コンクリートの下地に適している工法の為、一般的な住宅ではあまり選ばれることはありません。
防水性を高めるのは、次の外壁塗装の時期まで、状態を保たせるため!
例えば「なんかヒビ割れが多くなってきたな、外壁塗装しようかな」と思っても、大きなお金がかかるので、気軽に行えない工事。
ヒビ割れがあるからといって、すぐに外壁塗装をすることができないのが現状です。
しかし、最初から防水性が高い外壁塗装をしていれば、万が一ヒビ割れが起こったとしてもすぐに慌てる必要がなくなります。
外壁塗装は約10年周期で行われ、費用は約30坪の一戸建てだと60~120万円前後が金額相場のため、ヒビ割れや何か障害が起こることを考えた上で、塗装をしておく必要があるんです。
ヒビ割れは外壁に最も起きやすい症状の一つ、だからこそ外壁には「防水性」という観点で、塗装をするのがオススメです。
外壁の防水性が高いと、寿命が長いお家になる!
外壁の防水性が強いと、雨水が建物内に入りずらくなります。
完全にシャットアウトをするのは、建物の構造上難しいのですが、雨漏りを少なくすることが、お家の寿命を延ばしてくれるんです。
「寿命があるの?」と思うかもしれませんが、実は建物には「寿命」が存在しており、何百年も同じ家に住めない状況。
しかし、その中でも60年も住める方もいれば、数千万の高いお家を買ったのに20~30年で手放すことになる方もいます。
なぜ、このような違いが生まれるかと言えば、一戸建ての多くは木造であり、湿気や雨に弱いからです。
お家の構造上、躯体(くたい)と呼ばれる、建物を支える骨組みがありますが、この家を支えてくれている柱がシロアリによってボロボロにされてしまったり、湿気によって腐食してしまうと、建物を支えきれなくなります。※ シロアリは湿気を好みます。
躯体がまだ丈夫であれば、外壁塗装などの簡易工事で済みますが、躯体がダメになってしまうと、全面リフォームや建て替えをするしかなくなる…。
このように、外壁の防水性が強いことで雨漏りを防ぎ、お家の寿命を延ばすことに繋がるんです。
人生100年時代と言われていますが、お家の寿命も伸ばすことを考えている方は、すでにメンテナンスの意識をもって、外壁塗装を行っているようです。
最後に…。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
外壁は環境や年数によって劣化し、耐久性が徐々に落ちていきます。
はじめは小さなヒビでも、徐々に大きくなっていくこともあります。大きなヒビになったからと言って、すぐに雨漏りするわけではありませんが、放っておくと雨水や汚れなどが外壁の内側に入り、内部の腐食の原因となります。
そのため、なるべく早く防水塗装によって、補修するのが賢明です。こまめな外壁塗装の塗り直しを行うことができれば、費用も安く、工事の期間も少なく済みます。
防水塗装と雨漏りの関係性についてまとめてきましたが、分かりづらいところやもっと知りたい情報はありましたか?どんな小さなことからでもご相談を無料できるので、お気軽に以下の防水塗装のご相談フォーム・お電話にてご連絡くださいね。
あなたにとって、安心・納得の情報になれれば嬉しいです。
防水性を高める外壁塗装が初めて…。
誰だって初めてのことには不安を覚えるもの。
私たちのような中立の立場である無料サービスを活用いただき、アドバイス・サポートで安心できる外壁と屋根の、塗装をお手伝いできればと思っています。※外壁塗装コンシェルジュとは
失敗しない屋根修理の業者選びから、見積もり金額の適正診断など、全て無料で承らせていただいているので、お気軽に連絡をいただければ嬉しいです。
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