コンクリート壁の種類や製造工程から、塗装や補修方法を知ると、納得してお家の外壁塗装を行うことができます。
外壁塗装コンシェルジュ 建物工事のアドバイザー
コンクリートの壁は、表面の仕上げ方によっては独特の質感があり、高級感のあるお家になりますよね。
あなたのお家の外壁がコンクリートで出来ている場合、その頑丈さに安心しきってしまうかもしれませんが、実はコンクリートの外壁は、塗装工事でしっかりメンテナンスする必要があります。
汚れやひび割れが目立っている場合は、コンクリートが持つせっかくの雰囲気も失われてしまっていると思います…。
コンクリート造り本来の、頑丈でオシャレな状態を保ち、これからも安心して暮らしていくためにも、コンクリート壁の外壁塗装について、私と一緒に見てもらえると嬉しいです。
- 目次
- コンクリート壁の外壁塗装、相場はいくら?
- コンクリート壁の種類
- コンクリート壁の作られ方
- コンクリート壁のメリット・デメリット
- コンクリート壁に起きる劣化現象
- コンクリート壁を守るには、ひび割れとサビを防ぐ事!
- ひび割れとサビを防ぐためのメンテナンス方法
- コンクリート壁の外壁塗装、DIYは難しい!
- このページを見てくれたあなたへ。
塗装する時期はいつか、または、信頼ある業者さん選びに不安を感じている場合は、0120-929-609(相談受付24時間)に電話をかけて頂き、電話口で「コンクリート壁の塗装で相談がしたい」とお伝え頂ければ嬉しいです。※ 事前に情報を伝えた上でご相談されたい場合はフォームをご利用ください。
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コンクリート壁の外壁塗装、相場はいくら?
あなたのお家のコンクリート壁をメンテナンスするために、外壁塗装を考え始めると、気になるのは工事費用ですよね。
使う塗料の種類や、コンクリート壁の種類によって塗装費用は変わってくるため、単価相場を一緒に確認してみましょう。
コンクリート壁の種類 | 塗料の単価相場 | ||
---|---|---|---|
打ちっぱなし | 撥水剤 (はっすいざい) | カラークリヤー | 打ちっぱなし再現 |
約1,500円/㎡ | 約3,000円/㎡ | 約5,000円/㎡ | |
塗装仕上げ | 約2,500~3,500円/㎡ | ||
タイル張り | 約1,500~2,200円/㎡ |
コンクリート壁が打ちっぱなしの場合、下記のように、塗料の種類や工法がたくさんあります。
撥水剤 | 撥水剤とは、水を弾く効果を持つ透明な液体のことで、打ちっぱなしコンクリート壁が持つ質感がなくならず、防カビ効果など、コンクリート壁に起きる劣化を抑えてくれる機能があり、雨水からもしっかり守ることができます。ただし透明なので、ひび割れ補修の跡を隠すことができず、あまり補修箇所がない状態のコンクリート壁に使われやすいです。 |
---|---|
カラークリヤー | カラークリヤーは少しだけ色のついた透明な塗料で、打ちっぱなしコンクリート壁に使われるもの。コンクリート壁の表面をキレイに仕上げることができますが、撥水剤と同じように、ひび割れ補修等の跡が見えやすいです。 |
打ちっぱなし再現 | 撥水剤やカラークリヤーは、コンクリートの質感を残したまま塗装できますが、補修跡が隠せません。そこで、補修後に専用の塗料で補修跡を隠し、上からコンクリートのような模様を付ける工法があります。補修がしっかりできて、打ちっぱなしコンクリートの雰囲気もきちんと再現することができるんです。 |
また、コンクリート壁は大きな建物によく使われるので、建坪が50坪ある2階建てアパートで、コンクリート壁の外壁塗装をする時の相場も確認してみましょう。
建坪50坪2階建てアパートの場合
コンクリート壁の種類 | 建坪50坪2階建てアパートの外壁塗装の相場 | ||
---|---|---|---|
打ちっぱなし | 撥水剤 (はっすいざい) | カラークリヤー | 打ちっぱなし再現 |
約240万円 | 約300万円 | 約380万円 | |
塗装仕上げ | 約280~320万円 | ||
タイル張り | 約240~270万円 |
上記の相場は、次の金額も含まれています。
- 職人さんが作業するための足場代
- 高圧洗浄代
- ひび割れ補修などの下地処理代
- ベランダ・バルコニーなどの防水工事代
これらは、コンクリート壁の外壁塗装を行なう時に必要となる工事。
あなたのお家のコンクリート壁に行う塗装工事を考える際、参考にしてもらえると嬉しいです。※「外壁塗装の面積が10秒で分かる坪・平米の一覧表あり」の計算方法や、各工事の相場を元に計算しています。
コンクリート壁の塗装時期はいつ?
コンクリート壁には、定期的な塗装工事が必要になりますが、約10年を目安に塗装するのがオススメ。
ただし、ほかの外壁材に比べて、コンクリート壁はとてもひび割れやすいため、10年は目安にして、業者さんによる点検はこまめに行なってもらいたいです。
ひび割れから雨水が侵入して、コンクリート壁の内部に埋め込まれている鉄筋まで届くと、サビが発生して外壁全体が危険な状態になります。
定期的に補修や塗装を行なっておけば、大きな劣化は防ぐことができるため、頑丈なイメージにとらわれず、優良な業者さんでしっかりお手入れをしてもらいましょう。
コンクリート壁の種類
コンクリート壁と言っても、表面の仕上げ方は様々な種類があるので、私と一緒に確認していきましょう。
あなたのお家のコンクリート壁がどんな見た目なのかも、思い出しながら見てもらえると嬉しいです。
打ちっぱなし
コンクリート壁の中でも、オシャレで高級感のある「打ちっぱなし」と呼ばれる種類は、コンクリートそのものが、そのまま外壁のデザインとなります。
作られ方も、表面を仕上げる必要がないため、コンクリート壁を作るだけですが、最近は、仕上げに撥水剤を塗ることが多いです。
コンクリートは、水分を吸い込みやすい性質があり、雨に塗れると真っ黒に色が変わりますが、コンクリート壁の表面に撥水剤を塗っておくと、雨水を弾いて元の色味を保ち、汚れを防ぐことにも繋がります。
塗装仕上げ
コンクリート壁そのものを作るだけで完成となる打ちっぱなしに対して、表面にペンキを塗ったり、様々な仕上げ方で模様を作っているコンクリート壁もあります。
住宅の外壁によく使われている外壁材の一つ、「モルタル外壁」は、リシンやスタッコ、吹き付けタイルと言った「吹き付け仕上げ」で仕上げられる事が多く、表面がデコボコ模様。
コンクリート壁の中には、モルタル外壁のような見た目の種類もあり、コンクリート壁の表面にモルタルという粘土を塗って、吹き付けや色の付いたペンキで仕上げるため、表面の仕上げ方はまったく同じです。
打ちっぱなしはコンクリートの質感を活かした外観ですが、一般的な塗装で仕上げると、逆にコンクリートの雰囲気が隠れるため、コンクリートの感じを出したくない場合はオススメ。
タイル張り
コンクリートの上にモルタルという粘土状の材料を塗って、タイルを張り付けていくタイル仕上げの外壁は、使うタイルによって色の数や質感など、デザインが豊富。
光沢が少ないタイルもあれば、釉薬(ゆうやく)と呼ばれる薬を表面に塗って焼き上げられた、ピカピカのタイルもありますが、外壁には磁器タイルと呼ばれる種類のタイルが使われやすくなっています。
コンクリートが見えなくなるため、コンクリート壁というよりはタイル張りの外壁となり、違ったオシャレさを出せる仕上げ方です。
我が家の外壁はコンクリート?
あなたのお家がコンクリート壁かどうかを見分けるのは、難しい場合があります。
打ちっぱなしと呼ばれる、コンクリートそのものが表面に出ている場合は分かりやすいですが、中にはコンクリート壁の表面が、モルタルで仕上げられていると、モルタル外壁のように見えることも。
プロでも見分けるのが難しいと言われているので、あなた自身で見分けるのは難しいかもしれませんね。
そのため、経験豊富な業者さんに、お家を丁寧に調査してもらうのがオススメです。
コンクリート壁の作られ方
あなたのお家の外壁が、コンクリートで出来ていても、どのように作られたのかまでは、恐らく知らないですよね。
コンクリートの外壁がどのように作られるのかを知っておくと、お家のコンクリート壁に起きる劣化についても分かりやすくなるので、私と一緒に製造工程を見てもらえると嬉しいです。
そもそもコンクリートとは?
まず最初に、コンクリートというものについて見ていければと思いますが、「グレーで硬い」「鉄筋が入ってる」このようなところは、何となくわかりますよね。
そもそも、コンクリートとは何かというと、次の成分が混ざり合って出来ています。
水+セメント+砂+砂利=コンクリート
これらが化学反応を起こして、あの硬いコンクリートになっていくんです。
コンクリート製の外壁を作る時は、お家を守れる強度を保つために、中に鉄筋を入れて作られるため、正確には鉄筋コンクリート。
鉄筋コンクリートは、Reinforced(強化)Concrete(コンクリート)を省略した「RC」とも言われ、「RC造」というのは、鉄筋が入っているコンクリートで造られている建物という事になります。
モルタル・ALCとの違い
お家の外壁を考える時、コンクリートと混同しやすい外壁材に、モルタル外壁とALC外壁があります。
3つの外壁がどのように違うのか、一緒に確認していきましょう。
コンクリート | モルタル | ALC | |
---|---|---|---|
成分 | 水+セメント+砂+砂利 | 水+セメント+砂 | 水+珪石+セメント+生石灰+発泡剤 |
作られる場所 | 現場 | 現場 | 工場 |
現場に運ばれる時 | 泥 | 泥 | パネル※工場では泥 |
鉄筋の有無 | 鉄筋が入る | 鉄筋は入らない※金網が入る | 鉄筋が入る |
こうして見ると、コンクリートとモルタルはとても似ていますが、鉄筋の有無によって、モルタル外壁よりもコンクリート壁の方が頑丈です。
また、コンクリート壁は現場で泥の状態から作るため、工場で作られたパネルを張り付けていくだけのALCよりも、施工の手間や期間が掛かってしまいます。
しかし、ALCはモルタル外壁のように、吹き付けで模様付けされていることが多く、打ちっぱなしコンクリートの雰囲気は、コンクリート壁だからこそです。
コンクリート壁が作られる工程
【STEP1】型枠の設置
コンクリート壁を作るところに、型枠を設置。
型枠の中にコンクリートを流し込み、固めることによって外壁を作ります。
木製や鋼製などがあり、型枠によって外壁の幅も決まるため、コンクリート壁の形を作る大事なところです。
【STEP2】セパレーターとPコンを設置して幅を決める
型枠の内部に、セパレーターと呼ばれる金属製の棒を取り付け、型枠の幅が均等になるようにします。
セパレーターの両端には、Pコンというプリン型の部品が設置されており、Pコンだけ型枠から貫通しますが、セパレーターはそのままコンクリートの中に残り、Pコンは最後に撤去。
打ちっぱなしコンクリートの表面にある丸い跡は、Pコンの跡なんです。
【STEP3】コンクリートを流し込む(打設)
コンクリートを型枠に流し込む作業は、「打設」「打ち込む」などと呼ばれます。
流すのに打つと言う理由は、棒などで突きながら流し入れる動作から来ているなど、諸説あるようです。
コンクリートを流し込んだだけでは、空気を含んだまま固まり、気泡がたくさん出来てしまうため、次の工程で空気を抜きます。※ここでは工程を分けていますが、工程3・4を同時に行うことが多いです。
【STEP4】空気を抜いて密度を高める
バイブレータ―とは、長いホースのような振動する機械のことで、型枠に流し込んだコンクリートの中に差し込み、コンクリートを振動させることによって、中の空気を抜いていきます。
また、バイブレーターと同時に、型枠の外側からハンマーでコンコンと叩き上げることによって、しっかりと空気を抜き、気泡が残らないようにするんです。
【STEP5】表面を叩いてならす(タンピング)
タンパーやトンボと呼ばれる、柄のついた板を使って、流し込んだコンクリートの表面を上から突き固めたり、平らにならしていきます。
この作業はタンピングと呼ばれ、前の工程と同じく余分な空気や水分を抜くために行われる作業です。
【STEP6】コンクリートが固まったら、型枠を外す
コンクリートが固まったら、型枠を外していきます。
型枠に流し込んで突き固めてから、24時間も経てば硬くはなりますが、コンクリートが持つ本来の強度になるのは、打設をしてから28日後。
コンクリートは、乾燥して固まるのではなく、水分とセメントの化学反応(水和反応といいます)によって固まりますが、型枠を外す時期が早すぎると、固まるために必要な水分が逃げてしまい、適正な強度にならないんです。
【STEP7】Pコンを外してモルタルを詰める
型枠を外すと、コンクリートの壁が現れますが、初めの方に型枠へ取り付けたPコンが、コンクリートの表面にくっついているので、専用の工具を使って取り外します。
Pコンが外れると穴が残るため、穴の中をモルタルで埋めて、固まったら完成です。
コンクリート壁のメリット・デメリット
コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱いという特徴があります。
圧縮や引っ張りに耐えられなくなると、コンクリートのひび割れに繋がりますが、内部に鉄筋を入れることによって、引っ張られる力を受け、コンクリートの弱点を補うことができるんです。
外壁に使われるコンクリートは、強度を保つために鉄筋コンクリートとなっている事がほとんどなので、頑丈な外壁ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
あなたのお家のコンクリート壁について、メリット・デメリットを知ると、必要なメンテナンスについても納得しやすくなるため、私と一緒に見ていきましょう。
メリット
遮音性・防音性に優れている
木造のお家に比べると、コンクリート壁のお家は、外からの音を遮ったり、お部屋の音が外へ漏れにくいという特徴があります。
お隣さんとのトラブルを防ぐことに繋がるため、ご近所さん同士、快適な暮らしができる嬉しいメリットです。
耐火性に優れている
コンクリート壁は火に強いため、火事が起きても燃え広がるスピードは、木造住宅よりも遅いです。
このおかげで、コンクリート造りのお家は火災保険の保険料が、木造に比べて安くなっています。
オシャレな外観
表面の仕上げ方によっては、モルタル外壁のように一般的なお家と変わらない見た目の種類もありますが、打ちっぱなしのコンクリート壁の場合は、高級感のあるオシャレな外観になるため、周りのお家とデザイン性の差が付きます。
コンクリート壁は、お手入れをしないままだと、黒ずんだりサビが出てきてしまいますが、定期的なメンテナンスによって、キレイな状態を保つことが出来るんです。
デメリット
ひび割れしやすい
コンクリート壁は、ほぼ必ずと言っていいほど、ひび割れが起きてしまうものです。
ひび割れについては、次の「コンクリート壁に起きる劣化現象」で一緒に見ていければと思いますが、メンテナンスを行なえば、ひび割れてもキレイな状態に直すことができます。
水を吸い込みやすい
打ちっぱなしのコンクリート壁は、水分を吸収しやすい性質があり、舗装などでよく見るコンクリートの道路が、雨水に塗れて黒くなっているのを、あなたも見たことがあるかもしれません。
コンクリート壁が水分を吸収すると、カビが発生したり、空気中の汚れを含んだ雨水によってシミができてしまい、見栄えの悪いお家になってしまうんです。
表面を塗装しておくと、水分の吸収を防ぎ、同時にカビや汚れを防ぐこともでき、透明な塗料を使えば、打ちっぱなしのコンクリート壁も雰囲気を残したまま、キレイな状態を維持できます。
夏は暑く、冬は寒くなりやすい
コンクリート壁は、熱を伝えやすいという性質があるため、夏は外気の暑さが、冬は外気の寒さがお部屋に入ってきやすいです。
そのため、断熱材があることによって、快適な温度で過ごすことができますが、コンクリート壁の内側に断熱材を入れると、結露しやすいという欠点も…。
そこで、コンクリート壁を断熱材で覆う「外断熱」が使われやすくなっていますが、打ちっぱなしのデザインにしたい場合、断熱材で隠れてしまいますよね。
しかし、最近は打ちっぱなしの模様を、塗装で表現することができ、コンクリートでも快適に過ごせる工法が進んでいるんです。
コンクリート壁に起きる劣化現象
コンクリート壁は頑丈で、打ちっぱなしの場合は、他の外壁にはないオシャレな雰囲気があります。
しかし、コンクリート壁ならではの劣化現象があるので、あなたのお家のコンクリート壁にも、同じ傷みが起きていないか、思い出しながら見てもらえると嬉しいです。
それぞれの劣化は、「打ちっぱなし」「塗装仕上げ」「タイル張り」、どの種類にも起きる可能性があります。
塗装仕上げやタイル張りはコンクリートの表面が見えなくても、塗装・タイルの裏側では劣化が進んでいるかもしれないので、一つ一つ確認していきましょう。
劣化現象1:汚れ・変色
打ちっぱなしコンクリート壁の汚れ・変色
あなたのお家のコンクリート壁が、打ちっぱなしで仕上げてある場合、塗装やタイル張りに比べてむき出しの状態なので、劣化が分かりやすいです。
中でも、見栄えを悪くしてしまうのが、汚れや変色。
コンクリート特有の汚れが目に見えるため、汚れの色別に見ていきましょう。
緑色の汚れ
打ちっぱなしのコンクリート壁が緑色に変色している場合は、コケや藻が付着してしまっている状態。
コンクリートは、水分を吸収しやすいという特徴があり、雨が降らなくとも空気中の湿気を含んだりと、以外に水分が多いんです。
コケや藻は、水分がある場所を好み、さらに日差しと日陰どちらもあると、繁殖しやすくなりますが、定期的にお手入れを行なっておけば、外壁のキレイな状態を維持することができます。
黒い汚れ
打ちっぱなしのコンクリート壁に出る黒い汚れは、次の2つが原因になりやすいです。
カビ | コンクリートが水分を吸い込み、湿気が溜まり続けることによって、湿気を好むカビが繁殖し、黒く変色してしまうことがあります。 |
---|---|
雨だれ | 排気ガスや汚れた空気が、雨に溶け込んで付着し、雨水と一緒に浸透してそのまま汚れとなってしまいます。 |
カビや雨だれなどによって、せっかくおしゃれな打ちっぱなしコンクリートが、汚れた見た目になってしまうのはもったいないですよね。
お掃除やメンテナンスなど、定期的にお手入れをしておくことで、高級感のある外観を保つことができます。
白い汚れ
打ちっぱなしのコンクリート壁は、エフロレッセンスと呼ばれる、真っ白な汚れが出てきます。
エフロレッセンスは、コンクリート内のカルシウム成分が、水分と一緒に表面へ流れ出す現象で、次の2種類に分けられるんです。
一次エフロレッセンス | コンクリートの内部にあった水と一緒に、カルシウム成分が表面へ流れ出て、水が蒸発することによってカルシウム成分が白く表れる現象。 |
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二次エフロレッセンス | 雨水など、本来コンクリートの中には無かった水分が、ひび割れやコンクリートの表面を流れ、コンクリート内のカルシウム成分が雨水と一緒に表面へ移動して、白く表れる現象。 |
エフロレッセンス自体は大きな問題ではありませんが、二次エフロレッセンスのように、雨水がひび割れの内部を通ることで起きている場合は、内部の鉄筋に雨水が触れている可能性があり、サビが発生しているかもしれません。
そのため、二次エフロレッセンスは、白く垂れ下がった汚れと一緒に、サビを含んだ茶色い水が流れ出た跡も付いていることがあります。
白い汚れは、専用の液体で拭き取ってあげれば大丈夫ですが、内部の鉄筋がサビていると、コンクリート壁全体が危険な状態となるため、エフロレッセンスの状態を優良業者さんにしっかり見てもらうのがオススメです。
塗装仕上げコンクリート壁の汚れ・変色
コンクリート壁の中には、表面を塗装で仕上げている種類もあります。
表面にただペンキを塗る仕上げ方もあれば、吹き付け仕上げなどでデコボコ・ザラザラとした模様を付けられている事もありますが、コンクリート壁を塗装の膜が守ってくれている分、その膜はだんだんと汚れていってしまうことに。
塗装仕上げのコンクリート壁には、次のような汚れが付いてしまう事が多いです。
カビ・コケ | 塗装に使われる塗料には、カビやコケを防ぐ効果もありますが、塗料の機能がだんだんと弱まってくると、カビやコケからお家を守るための力も失われてしまいます。 |
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雨だれ | 空気中の汚れが、雨水と一緒に塗装へ付着して、そのままこびり付いてしまう現象で、塗料の機能が弱くなるにつれて、雨の跡が黒く残ってしまうんです。 |
チリ・ホコリ | チリやホコリは目に見えないほど小さいため、コンクリート壁に付着しても気が付かないですが、何年も時間を掛けてどんどん蓄積していくことによって、外壁全体が汚れでくすんでしまいます。 |
タイル張りコンクリート壁の汚れ・変色
タイル張りのコンクリート壁も、チリやホコリ、雨だれなどによって汚れが付いてしまい、環境によってはコケが生えて、緑色に変色してしまうこともあります。
色やデザインによって汚れの目立ち方が違うため、白やベージュといった明るい色のタイルであれば、黒ずみがハッキリと出てしまっているかもしれません。
また、ブラウンやネイビーなど、少し落ち着いた色のタイルでも、洗浄してみるとかなり汚れていることが分かったり、全体的に明るくなって、新築当時のような本来の鮮やかさを取り戻すことができるんです。
タイル張りのエフロレッセンス
打ちっぱなしのコンクリート壁に起きる、エフロレッセンスという現象は、タイル張りの場合でも発生することがあります。
タイルの裏側にあるコンクリートから、水分と一緒にカルシウム成分がタイルの表面へ流れ出て白くなり、目地(めじ)と呼ばれるタイルの継ぎ目から出てくることも。
外壁に使われるタイルには様々な種類がありますが、お茶碗や湯飲み、一部の屋根瓦などにも使われる「釉薬(ゆうやく)」という薬が表面に塗られているタイルは、汚れの付着にも強く、エフロレッセンスも起きにくいです。
しかし、釉薬が塗られているタイルでも、目地からエフロレッセンスの白い汚れが垂れてくることがあり、目地のひび割れ補修など、メンテナンスが必要になります。
劣化現象2:ひび割れ
コンクリート壁は、必ずと言っていいほどひび割れが起きてしまうものです。
細いひび割れであれば、外壁が崩れたりする心配は少ないですが、見た目は気になってしまいますよね。
また、太く深いひび割れの場合は、コンクリート壁の中に入れられている鉄筋まで、ひび割れが届いている可能性が高く、ひび割れから雨水が侵入すれば、鉄筋がサビて、コンクリート壁そのものまで崩れてしまう恐れがあります。
コンクリート壁に起きるひび割れは、原因によって様々な種類があるため、私と一緒に一つ一つ確認してもらえると嬉しいです。
乾燥ひび割れ
コンクリートの中に含まれている水分が失われていくことによって起きるのが、乾燥ひび割れ。
元々、コンクリートが作られるには、セメント・水・砂・砂利が混ざり合い、セメントと水が化学反応を起こすことによって固まりますが、固まるための水だけではなく、練り合わせたり流しやすくするための水も含まれています。
ドロドロの状態から固まるにつれて、作業しやすくするための水分は蒸発していきますが、この時、コンクリートは水分が失われた分、ギュッと縮まることによって、ひび割れが生まれるんです。
沈下ひび割れ
沈下ひび割れとは、コンクリートが固まっていく最中に起きるひび割れで、工事直後に発生することが多いです。
コンクリートは、セメント・水・砂・砂利を混ぜ合わせた、ドロドロとした材料を型枠に流し込み、セメントと水が化学反応を起こして固まるものですが、この時セメントは下へ沈んでいき、化学反応には必要のない水(作業しやすくするための水)は、上へ移動していきます。
余分な水が上へ移動する時、砂や砂利、鉄筋によって移動できない水分があると、砂や砂利、鉄筋の下に引っかかって溜まってしまい、それが原因で起きるのが沈下ひび割れです。
鉄筋の影響を受けやすいため、横向きのひび割れになることが多く、鉄筋に水分が触れ続けることになり、割れ目からサビを含んだ茶色いシミが流れてくることも…。
コンクリートを作るときの水分を最低限にしたり、水や空気を抜く作業をしっかり行なっていれば、沈下ひび割れは防ぐことができます。
中性化
コンクリートは、二酸化炭素に触れると性質が変わっていきます。
二酸化炭素に触れた面積がどんどん広がり、奥の鉄筋まで届くと、鉄がサビないための保護膜が壊れてしまい、鉄筋がサビ始めてしまうんです。
鉄筋は、サビると膨張してしまうため、コンクリートの内部から押し割ってしまい、さらに、サビが深くなるにつれて鉄筋の健康な部分が減っていき、耐久性が失われてしまうことに…。
この化学反応は中性化と呼ばれ、元々アルカリ性という性質だったコンクリートが、二酸化炭素によって中性という性質に変わることで起きるひび割れなんです。
アルカリ骨材反応
アルカリ骨材反応と呼ばれる現象では、亀の甲羅の模様に似ているひび割れが起きやすいです。
「アルカリ骨材反応」の「骨材」とは、コンクリートの材料となる砂や砂利のことを指し、骨材と言っても様々な種類があります。
中でも、コンクリートの中に含まれる成分と特殊な化学反応を起こす骨材があり、この反応によって骨材が膨張して、コンクリートの内側から押されることで、ひび割れが起きてしまうんです。
凍害(とうがい)
凍害とは、寒い地域のコンクリート壁に起きやすい現象で、気温の差によって発生するひび割れ。
コンクリートに含まれた水分が、寒さによって凍ったり溶けたりを繰り返すと、膨張によってコンクリートが割れてしまうんです。
アルカリ骨材反応と同じく、凍害も亀の甲羅のようなひび割れが起きてしまいます。
塗装やタイルのひび割れ
ここまでのひび割れを見ていると、
「打ちっぱなしだけでしょ」
「ウチはタイルが張ってあるから大丈夫」
「塗装で守ってるからひび割れても見えないよね」
このように思うかもしれませんが、コンクリート壁の表面を塗装やタイルで守っていても、コンクリート部分のひび割れが表に影響することがあるんです。
また、塗装仕上げの場合は、塗装の膜だけにひび割れが起きることもありますが、「塗装のひび割れだから、コンクリート自体は大丈夫でしょ」と思って放置しておくと、塗装の割れ目から雨水が侵入して、コンクリートのひび割れを招いたり、そこからサビに繋がる恐れも…。
そのため、あなたのお家のコンクリート壁が、塗装仕上げやタイル仕上げの場合、表面にひび割れなどの劣化が出てきたら、早めに業者さんへ点検をお願いするのがオススメです。
劣化現象3:サビ
外壁は、あなたとご家族が安心して暮らし続けられるように、お家としての強度を保つ必要があります。
コンクリート壁の場合、鉄筋がなければひび割れやすくなり、家族を守るための役割を果たせなくなってしまうため、お家や建物のコンクリートには必ず鉄筋が入れられるんです。
しかし、コンクリートの強さを高める鉄筋は、サビという弱点があり、主にコンクリートのひび割れから侵入した雨水や酸素が、鉄筋に触れることでサビが発生。
コンクリート壁に起きるサビにも、様々な原因があるため、一緒に確認していければと思います。
塩害(えんがい)
塩害とは、海沿いのお家に起きやすい現象で、海水の塩分を含んだ空気がお家に付着することによって、金属部分がサビてしまったり、塩分で出来ている白い結晶が固まり、こびり付いてしまいます。
コンクリート壁に起きる塩害は、表面からだんだんと海水の塩分が浸透していき、鉄筋まで届くと、サビの発生を防ぐ保護膜が壊れてしまい、サビが発生しやすくなってしまうんです。
中性化
ひび割れのところでも見てもらったように、アルカリ性という性質を持っていたコンクリートが、中性という性質に変わると、鉄筋にサビが発生してしまいます。
空気に含まれている二酸化炭素が、だんだんとコンクリートの内部へ浸透して、鉄筋に触れることによって中性化が進んでしまうんです。
コンクリート壁を守るには、ひび割れとサビを防ぐ事!
ここまで、コンクリ外壁に起きる劣化を一緒に見てきましたが、コンクリート壁のお家で、ご家族と安心して過ごすためには、
- ひび割れ
- サビ
この二つを防ぐことがポイント。
ひび割れを防ぐことは、サビを防ぐことに繋がり、サビを防ぐことは、ひび割れを防ぐことに繋がるんです。
あなたのお家の外壁を守るためにも、もう少し詳しく見ていきましょう。
コンクリートと鉄筋は支え合っている
コンクリート壁は、あなたとご家族が安心して過ごせるための強度を保つために、鉄筋が入っているので、正確には鉄筋コンクリートとなり、構造を大きく2つに分けると次のようになります。
コンクリート | セメント+水+砂+砂利 |
---|---|
鉄筋 | コンクリートの中に埋め込まれている |
コンクリートは外側から押される力に強く、引っ張られる力には弱いものなので、弱さを補うために鉄筋が埋め込まれています。
さらに、鉄筋はサビに弱いですが、コンクリートの性質(アルカリ性)は、鉄筋をサビから守ってくれる力があるんです。
つまり、お互いの弱い部分をカバーし合う、相性抜群の関係となっています。
ひび割れを抑えてサビを防ぐ
コンクリート壁の、コンクリート部分に起きるひび割れを抑えると、内部に埋め込まれている鉄筋がサビてしまうのを、防ぐことに繋がります。
鉄筋は、水や酸素が触れることによってサビが発生してしまいますが、水や酸素の侵入口となるひび割れがなければ、鉄筋がサビる可能性も低くなり、キレイで頑丈なコンクリート壁を維持することができるんです。
サビを抑えてひび割れを防ぐ
コンクリート壁に埋め込まれている鉄筋を、サビさせないようにする事で、コンクリート部分がひび割れるのを防ぎやすくなります。
鉄筋にサビが発生すると、化学反応によって膨らむため、周りのコンクリートをメキメキと押し出してしまい、ひび割れが発生。
さらに、鉄筋がサビると段々もろくなり、本来の強さを持つ体積が減ってしまうため、コンクリート壁としての強さが失われ、コンクリートが崩れやすくなるんです。
そのため、鉄筋部分のサビを抑えると、コンクリート部分のひび割れも食い止めることに繋がります。
元々ひび割れ対策がされているコンクリート壁もある
どうしてもひび割れが起きてしまうコンクリート壁ですが、対策として、ひび割れを目立たなくする方法で作られているコンクリート壁も多いです。
お家のコンクリート壁に、縦横に伸びる線状のへこみがあれば、それは「誘発目地」と呼ばれるもので、わざとへこみを作ることによって、その部分にひび割れが起きるようにしています。
板チョコにも、手で簡単に等分できるよう線状のへこみがありますよね。
また、紙を両側から引っ張ると、どこで破れるか分かりませんが、折り目を付けてから引っ張ると、折り目に沿ってキレイに破れるはず。
コンクリート壁も、全体にひび割れが起きると見栄えが悪くなってしまいますが、目地を作っておくことで、狙ったところにだけひび割れが発生するため、キレイに見えるんです。
ひび割れ補修もしやすく、目地に沿って補修するため、跡が目立ちにくいことも大きなメリットとなります。
ひび割れとサビを防ぐためのメンテナンス方法
あなたのお家のコンクリート壁を、ひび割れやサビから守るためには、次のようにメンテナンスを行なうことが大切。
- 今起きている劣化・・・補修
- これから起きる劣化・・・防ぐ
今、お家の外壁に起きている劣化は早めに直しておき、悪化させないことによって、大掛かりな修繕をせずに済みます。
コンクリート製の頑丈な外壁でも、必ずメンテナンスが必要になりますが、費用は最低限に抑えたいですよね。
また、劣化を直して安心するのではなく、これから起きる劣化にも強い状態にしておくと、次回のメンテナンスまでの期間を延ばすことができます。
頑丈でキレイなコンクリート壁を保つためにも、具体的にどんなメンテナンスを行えばいいのか、私と一緒に確認してもらえると嬉しいです。
小まめにひび割れ補修
コンクリート壁の表面にひび割れを見つけたら、早めに業者さんを呼んで、調査してもらうのがオススメです。
性質上、コンクリート壁はどうしてもひび割れが起きるため、築年数が浅くても、細くて小さなヒビはあるかもしれません。
細いひび割れは、まだ補修をしなくても大丈夫な場合もありますが、ここまで一緒に見てもらったように、コンクリート壁は、あなたの目には見えない内部に鉄筋が埋まっています。
何かの影響で鉄筋がサビて膨らみ、それによってひび割れが起き始めている場合もあるため、知識や経験のある業者さんに、どんな状態なのか見てもらってほしいです。
もし、深刻なひび割れではなかったとしても、あなたの暮らしを想ってくれる業者さんなら、「○年後にまた様子を見てみましょう」など、アドバイスをくれるはず。
小さいひび割れ
小さなひび割れの場合は、表面だけがひび割れている可能性が高いため、コンクリート壁の種類によって、表面の仕上げ部分だけを補修すれば済むことがあります。
どんな補修を行うのか、それぞれ見ていきましょう。
コンクリート壁の種類 | 小さいひび割れの補修方法 |
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打ちっぱなし | ひび割れが細く小さい場合は、専用のセメントと水だけで作られた補修剤を使って割れ目を埋めたり、専用の防水材を使ってひび割れにフタをします。専用の紙やすりを掛けたり、打ちっぱなしのような模様にできる塗装を行うことで、補修の跡を目立たなくすることもできるんです。 |
塗装仕上げ | 塗装されているコンクリート壁に、小さなひび割れがある場合は、塗装が劣化してきているサインでもあるため、ペンキの塗り替えが必要です。古い塗装を剥がして新しい塗料を塗りますが、塗装を剥がした時にコンクリート部分のひび割れもしっかり補修しておき、雨水の侵入を防ぐだけでなく、キレイな外観も保ちます。 |
タイル張り | タイル張りになっているコンクリート壁に、小さなひび割れが出来ている場合、打ちっぱなしの補修と同じように、専用の補修剤を使ってひび割れを修繕。元々のタイルと同じ外観になるよう、塗装などで調整すると、仕上がりもキレイになります。 |
大きめのひび割れ
打ちっぱなし、塗装仕上げ、タイル張り、どのコンクリート壁でも、太いひび割れが出来てしまっている場合は、シーリング材と呼ばれる樹脂や、専用のモルタル(粘土状の補修剤)を使って割れ目を埋めます。
ただし、大きなひび割れは雨水が侵入しやすいため、鉄筋がサビている事も多く、サビたまま補修剤でコンクリートにフタをしてしまうと、中ではサビがどんどん悪化。
鉄筋にサビが出来ると徐々に膨らんでしまい、せっかくひび割れを直したコンクリートが、中から割られてしまうんです。
そのため、鉄筋が見える部分までコンクリートを部分的に壊して、鉄筋のサビを取り除いたあと、サビ止め効果のある塗料を塗って、サビの発生を食い止めます。
その後、壊したコンクリート部分を専用のモルタルで埋め戻し、それぞれの見た目に合わせた仕上げをして完成です。
打ちっぱなしや塗装仕上げの場合は、打ちっぱなし風の塗装をしたり、元々の塗装のデザインに合わせた塗装をして、補修跡が残らないようにします。
タイル張りの場合は、ひび割れている部分のタイルを取り除き、上記の補修を行なったあと、新しいタイルを張り直す場合もあります。
塗装で水の侵入を防ぐ
コンクリート壁に起きる、ひび割れやサビを直すことができたら、今後もキレイで丈夫な状態が続くように、保護しておく必要があります。
表面の仕上げ方に合った塗料を使って塗装を行うと、コンクリート壁全体を守る保護膜が作られ、雨水の浸透や汚れの付着、カビなどの発生を防ぐことが出来るんです。
どんな塗料を使うのか、それぞれの工程や、次に塗装が必要になる時期も合わせて、一緒に見ていきましょう。※各工程は、塗料や工法などによって変わる場合があります。
一般的な外壁用の塗料(ペンキ)
使うコンクリート壁 | 塗装仕上げ・タイル張り | |
---|---|---|
塗り替え時期の目安 | 約7~12年(シリコン系塗料の場合) | |
塗料の例 | 日本ペイント | ファインシリコンフレッシュ(シリコン系) パーフェクトトップ(ラジカル系) |
エスケー化研 | プレミアムシリコン(ラジカル系) | |
大日技研工業 | ランデックスコートP-5000・PB-5000(無機系) |
あなたのお家のコンクリート壁が、ペンキやタイルで仕上げられている場合は、古くなったペンキを塗り替えたり、タイルに塗装すると、コンクリート部分を保護することができます。
塗装で仕上げられているコンクリート壁は、表面にそのままペンキが塗られる場合もあれば、表面がデコボコしているリシンやスタッコ、吹き付けタイルというような、模様が付けられた仕上がりも。
コンクリート壁に使うペンキは、「透湿性」と呼ばれる、湿気を通す効果に優れた塗料を使う必要があり、透湿性が弱い塗料では、コンクリートの中にある水分が外へ逃げられず、塗装の膜が膨れてきてしまうことがあります。
タイル張りの場合は、タイル用の透明な保護塗料で塗装するのが一般的ですが、補修跡が見えないよう処理する必要があるため、技術や経験のある優良業者さんにお願いするのがオススメです。
塗装工程
STEP1 | 高圧洗浄 | 高圧洗浄機で汚れを落とします。 |
---|---|---|
STEP2 | 補修 | ひび割れの補修や、サビの処理を行い、古い塗装はここでしっかり剥がしておきます。 |
STEP3 | 下塗り | 透明または白色で、中塗り・上塗りを外壁に密着させるための役割があります。 |
STEP4 | 中塗り | 下塗りが乾いたら、色の付いたペンキを塗ります。 |
STEP5 | 上塗り | 中塗りが乾いたら、同じペンキを塗って完成です。 |
撥水剤(はっすいざい)
使うコンクリート壁 | 打ちっぱなし・タイル張り |
---|---|
塗り替え時期の目安 | 約3~8年 |
塗料の例 | アクアシール200S(日本ペイント) |
水を弾く効果のある撥水剤を、コンクリート壁の表面に塗ると、雨水が浸透しにくくなります。
撥水剤が塗られていない打ちっぱなし仕上げの場合、雨に塗れると色が濃くなりますが、撥水剤を塗ると、雨にぬれてもコンクリートの色は変わりません。
また、雨水が染み込まないため、雨だれの汚れが付きにくくなり、湿気を好むカビやコケの繁殖を抑えることもできるんです。
タイル仕上げの場合も、全体をペンキで塗り替えない場合は、撥水剤で保護しておくことができます。
ただし、撥水剤はペンキと言うよりも透明の液体になっており、補修した跡を隠すことが難しいため、お家の劣化具合を優良業者さんによく見てもらい、じっくり相談しましょう。
塗装工程
STEP1 | 高圧洗浄 | 高圧洗浄機で汚れを落とします。 |
---|---|---|
STEP2 | 補修 | ひび割れの補修や、サビの処理を行います。 |
STEP3 | 撥水剤を塗装 | 撥水剤の種類やコンクリート壁の状態によって、2~3回塗ります。 |
カラークリヤー
使うコンクリート壁 | 打ちっぱなし | |
---|---|---|
塗り替え時期の目安 | 約7~12年(シリコン系塗料の場合) | |
塗料の例 | 日本ペイント | ファインプーレシステム(シリコン系) 水性4Fプーレシステム(フッ素) プーレシステム(フッ素) |
エスケー化研 | セラミクリート工法(シリコン系・フッ素系) セラミクリートガード工法(シリコン系・フッ素系) セラタイトRC工法(シリコン系・フッ素系) | |
大日技研工業 | ランデックスコートWS疎水剤 |
カラークリヤーとは、打ちっぱなしコンクリートに使われ、透明ですが少しだけ色が付いている塗料。
一般的な外壁塗装に使われるペンキは、絵の具を水で薄めずそのまま使うような色の出方になるため、外壁を塗りつぶすことになります。
カラークリヤーは水彩絵の具のように、コンクリートの質感が残ったまま色を付けることができるため、打ちっぱなしの雰囲気を残したまま、表面をキレイにすることが出来るんです。
しかし、色を付けるといってもバリエーションは少なく、青みのあるグレーや赤みのあるグレーなど、打ちっぱなしコンクリートの雰囲気を壊さないために、グレーが基本色となっています。
また、撥水剤よりも補修の跡は隠れますが、完全に隠すことが出来ないというデメリットもあるため、業者さんと相談してから決めるようにしましょう。
塗装工程
STEP1 | 高圧洗浄 | 高圧洗浄機で汚れを落とします。 |
---|---|---|
STEP2 | 補修 | ひび割れの補修や、サビの処理を行い、紙やすりや研磨材で補修跡をならします。 |
STEP3 | 下塗り | 中塗り・上塗りの効果を高めるため塗料を塗ります。 |
STEP4 | 中塗り | 薄く色が付いている透明な塗料を塗ります。 |
STEP5 | 上塗り | 中塗りと同じ塗料を塗り重ねると、コンクリートの表面がキレイに仕上がります。 |
打ちっぱなしを再現する塗装
使うコンクリート壁 | 打ちっぱなし | |
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塗り替え時期の目安 | 約7~12年(シリコン系塗料の場合) | |
塗料の例 | エスケー化研 | セラミRC-FR工法(シリコン系・フッ素系) |
菊水化学工業 | キクスイ SA工法(シリコン系) | |
大日技研工業 | ランデックスコートWS疎水剤 FC特殊工法 |
撥水剤やカラークリヤーは、補修の跡が残ってしまうというデメリットがありますが、それを改善できるのが、打ちっぱなしの見た目を再現する塗装。
補修跡を消すことができるため、工程の途中では打ちっぱなし特有の質感が無くなりますが、専用のローラーで打ちっぱなしのような柄を付けることによって、打ちっぱなしコンクリートの外観をそのまま残す塗装ができるんです。
塗装工程
STEP1 | 高圧洗浄 | 高圧洗浄機で汚れを落とします。 |
---|---|---|
STEP2 | 補修 | ひび割れの補修や、サビの処理を行い、紙やすりや研磨材で補修跡をならします。 |
STEP3 | 下塗り | 中塗り・上塗りの効果を高めるため塗料を塗ります。 |
STEP4 | 中塗り | 模様を出すための塗料を塗ります。塗料によって特殊なローラーやスポンジを使い、工程が増える場合もあります。 |
STEP5 | 上塗り | 雨水に強くするため、最後に上塗りを塗ります。 |
コンクリート壁の外壁塗装、DIYは難しい!
ここまで、コンクリートの外壁塗装について、私と一緒に見ていただきありがとうございます。
もしかすると、あなたも気が付いてきているかもしれませんが…コンクリートの外壁塗装は難しい要素が多いメンテナンスです。
どんなコンクリート壁であっても、ひび割れは、ほぼ必ず起きるため、ひび割れ補修が必要になるだけでなく、鉄筋にサビが発生していれば、適正なサビの処理を行わなければいけません。
とくに、「アルカリ性」や「中性」など、コンクリートの性質が変わるという点も考えると、難しい化学のお話にまでなってきてしまい、化学がものすごく苦手な私は、職人さんたちへの尊敬の気持ちがさらに強くなりました…。
外壁塗装は、一般的に100万円前後かかるものなので、あなた自身で塗装してしまいたい気持ちはとても分かりますが、コンクリート壁の塗装工事は、とくに知識や技術が必要とされます。
鉄筋のサビ処理やひび割れの補修は、コンクリート造りの寿命を決めることにもなるので、適正な方法でメンテナンスを行うためにも、優良業者さんを選んで塗装工事をお願いするのがオススメ。
優良業者さんに塗装工事をお願いすれば、次回のメンテナンスや、不安な時の点検にも対応してもらえるので、今回の外壁塗装で慎重に業者選びを行なって、あなたとご家族の安心できる暮らしを守りましょう。
このページを見てくれたあなたへ。
ここまで私と一緒に見ていただき、ありがとうございます。
コンクリート壁の外壁塗装について確認してきましたが、あなたの抱える悩みや不安が少しでも解決に向かえば嬉しいです。
コンクリート壁のお家は、ほかの外壁材に比べて少ないため、相談できる人も見つかりにくいですよね。
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コンクリート壁の外壁塗装でお悩み中のあなたへ
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しかし、コンクリート壁の外壁塗装は、ほかの外壁材に比べて、ひび割れやサビなどの注意がとくに必要なので、業者選びも心配になると思います…。
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